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短歌と感想ほかまとめ

2022年度 お誕生日にあてたアイドル短歌

Snow Manひとりひとりのお誕生日にあてたアイドル短歌は、年度ごとにテーマを決めて作っています。
2022年度は下記のテーマとしていました。(深澤さんは10日前からカウントダウンをしていたため別枠)

・1、3首目はその人に関する印象、好きなところから作る
・2首目にその人のメンバーカラーを入れる

作ったときにイメージしていたことなどを振り返ってみたいと思います。
発表時のツイートまとめはこちら。
min.togetter.com

かんたんな目次はこちら。



2022.05.05 深澤辰哉さん

深澤さんお誕生日に向けて、100日前からTwitterが賑わっているのは知っていました。わたしはいろいろ考えた結果、10日間に凝縮してカウントダウンを実施。うまく作れなくて、間に合わないのでは……? という気持ちになった日もありましたが、振り返ってみると、やれてよかったなあと思います。

こんなに、とたとえあなたが笑っても百で足らない言祝ぎがある
 はじまりの1首。ここから始まって、あと9首はデビュー前からの公演などパフォーマンスをメインに詠むと決めていました。

ここは此岸 醒めない夢のただなかできみは静かに手招きをする
 20190727-0806, 0823-0828:Summer Paradise 2019
 「Boogie Woogie Baby」の最後の「C’mon baby」イメージ。あの深澤さんについてはもうずっと言う。


青白い星がいちばん熱いのは本当、あの日に見てた照明
 20190808:ジャニーズJr. 8.8祭り
 デビュー発表日のことを深澤さん自身が何度か言葉にしているので、絶対に入れたかった。


街頭の広告にいるぼくたちを覚えてたくてさわった真冬
 20200122:デビュー
 デビュー時、渋谷にいろいろ広告が出ていて、彼らも写真を撮りに行っていたなあ、というところから。


花びらにまみれてずっと笑ってたこの瞬間にいてほしかった
 20201022-1025:Snow Man ASIA TOUR 2D.2D.
 「ナミダの海を越えて行け」のイメージ。本当に、どの公演を観てもずっと胸がいっぱいになっていた。


指先で形づくった風物のいつかは褪せることを愛した
 20201204:滝沢歌舞伎ZERO 2020 The Movie
 「花鳥風月」イメージ。あの深澤さんが本当に本当に好き。好きすぎて形にするのが難しかった思い出。


瞬きと共にこぼれていったのは光であって涙ではない
 20210408-0627/20210509:滝沢歌舞伎ZERO 2021
 当時コロナ禍にあり、公演は一部中止、5/9に無観客生配信が行われました。その配信で観た姿から。


すぐ届くものなら欲しくならないよアクリル越しに見透かす瞳
 20211008-1226:Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania
 「Super Sexy」イメージ。そこにいる、けど、届かない、というご本人に対する印象も重ねています。


守らせてほしかったんだ花束を両手で受けるときのやわさで
 20120503:結成日
 グループというものを強く守ろうとしている人だな、と思っているので、そういった部分を詠みたかった。


きみの指す場所には夜明け 夢じゃない、脈打つ胸は痛いくらいに
 20211231:第72回NHK紅白歌合戦
 「D.D.」の「願い続けたDay or night」で、ここ、と足元を指したところが大好きだったので。


深く息、座標を忘れず確かめて掴むアームのやわらかい揺れ
 「ふか」く息、「ざ」ひょうを「わ」すれず「た」しかめて「つ」かむアームの「や」わらかい揺れ
 お名前の折句。クレーンゲームになぞらえて、深澤さんの慎重なところ、欲しいと思ったものをきちんと手に入れるだけの力、などを詠みたかった。けど、とにかく難しかった…!




2022.05.17 岩本照さん

朝焼けの知らない街で吸い込んだ空気もあなたの血肉となって
 ひかるくんが振付を考えるときなど、普段の生活で感じたもの・見たもの聞いたものが根底にある、ということを雑誌(NYLON、2022年4月号)で読んだところから。

蛍光の黄色で強く線を引くぜったい忘れたくない証
 ひかるくんはどういう黄色だろう? と考えたときに、蛍光ペンのぱきっとした色が浮かんだので。

後ろ手に花を隠して歩み寄るときのリズムに間違いはない
 ひかるくんの、たまにおしゃまさんみたいになる動きが好きで…(??)
 ダンス、体の動きに関するものを入れたかったのでこんなかんじに。


きみはいいこ 怒りきれずにねーえって語尾をくしゃくしゃほどいてしまう
手のひらに収まるいのち自分とは異なるものを愛おしむこと
こわくないって教える代わりあどけなくおどけてみせる まじめに生きる
 これはバージョン違いというか、もう少しゆるめに作ったものです。主観強め。
 1首目は「ねーえ」っていうあの呼びかけ(すごくかわいい)、2首目はシルバニア、3首目はまじめさ、でした。




2022.06.21 向井康二さん

今/かつて 瞬くたびに焼きつけたきみだけが知る光のかたち
 カメラの話。康二くんの撮る写真が本当に好きです。こうやって映っているんだなと思うし、それを届けてくれることがうれしい。

日向へと色を塗るとき橙をあなたのまとう空気を選ぶ
 康二くんのオレンジは、ぱきっと強いかんじより、日向が作り出すちょっと淡い印象かなあと思って。

コンビニのアイスにだって星はありぼくの世界は常にあかるい
 2020年6月に作った「コンビニで売ってる星を知っているたまに逃げ出すらしいのだけど」という短歌からリンクさせたもの。星のピノに関する康二くんの言葉が元になっていました。

アラームの前に目覚めて昨日よりほんのちょびっと胸を張れてる
やなことがあってもパンはちゃんと焼くはちみつ回しかけたらいいよ
次の日が怖くなくなるおまじないそしたらまたねきっと会おうね
 バージョン違い。1・2首目はきちんと生活しようと意識し実践しているところ(本当に尊敬する)、3首目はこじ日を毎日更新していてすごい、というところから。



2022.06.27 ラウールさん

数秒は息を忘れてくれていいまたすぐ僕が呼び覚ますから
 らうちゃんのパフォーマンス、目を奪われて、息が止まるようなことがあるなあ……というところから。息も止まるけど、絶え間なく衝撃を与えられるので、また目覚める。

繰り返し履いてもずっと真っ白な立ちたい場所へ行くための靴
 ダンスにせよ、モデルにせよ、靴を履くなあと思ったところと、らうちゃんは歩くのが好き、という部分も反映させて。歩んでいくうちに靴がいろんな色に染まっても、もとは真っ白。

羽を持つものにも成長痛があり次第に高く よりよく強く
 2020年5月に作った「この羽は生まれたときにはなくってね、今は大事に育ててるとこ」、らうちゃんの入所日にあてた短歌とつながるイメージでした。

ぎこちなく(でもあたたかく)撫でる手は残さずぼくの栄養になる
燃えている星の音ってどんなふう 体ぜんぶで残したかった
よろこびも悔しさだって平らげるいかにもきみはティラノサウルス
 バージョン違い。1首目はお兄ちゃんたちとらうちゃんのイメージ、2首目はパフォーマンスの話、3首目はらうちゃんが使うティラノサウルスの絵文字が好きなのでそこから。



2022.07.05 佐久間大介さん

暗がりにいたならこの目で全身で語れるなんて気づけなかった
 引っ込み思案というか、まったく違う性格だったところから今の佐久間くんになったの、本当にすごいなと思っています。

好きなもの知ってほしくて弾んでるきみの色づく頬は桃色
 好きなコンテンツの話をしている佐久間くん、とってもいいなあと思って。ピンクでも、どぎつくなくて、ぽっと色づくような桃色のイメージでした。

少年誌・深夜アニメもおれたちも誰かのよすが 息を吸い込む
 漫画やアニメを生きていくための支えにしているのは、佐久間くんも一般ファン側と同じで、でも佐久間くんはアイドルであり、誰かのそういう存在にもなっているんだよなあ、と思って。



2022.11.05 渡辺翔太さん

たっぷりの泡で素肌を撫でていくせめて自分にずるせず過ごす
 お仕事として美しさを保つ、というところはあるにしても、自分の内面のため、自分がよりよくあるために手を尽くしているんだな、と彼の美容にかける気持ちにふれると思って、そこがとても好きです。

ありったけアクリルガッシュを集めてもきみしかきみの青になれない
 混じりっけなしの鮮やかな青が渡辺さんのイメージ。アクリルガッシュで色を塗ったときの発色が頭にありました。

遠くまで声が渡っていけばいいどっかで聴いてくれるならいい
 絶対に歌のことは入れたかった。それと、渡辺さん自身の自然体なかんじ、飾らなさ、も書きたくて「どっかで聴いて~」としています。



2022.11.27 阿部亮平さん

柔軟で硬い 答えは骨、または絶えず言葉を巡らせるきみ
 あべちゃんは言葉の使い方を間違えない(ように本人もかなり気を配っている)と感じています。そのことを書きたかった、けど、ちょっと抽象的になったかも。

あのときに押したボタンの点滅が告げるシステムオールグリーン
 お誕生日の短歌としてメンバーカラーを入れたものを作りたい、と阿部担の友人に話したところ「システムオールグリーン」を入れてほしい、と言ってくれたので、ありがたく使わせてもらいました。クイズに関するものと結び付けられて嬉しかった。

降りそそぐテープを皆が掴むまで同じ地平で手をのべている
 ライブで銀テープを打ちたい、という話から。絶対に叶えてほしい夢だし、その場面を見られたらいいなあ、と思っています。

出掛けには傘を持ってね、大好きな人と話せる率が上がるよ
雨降りも悪くないかなビニールの傘にはぼくらの色が映って
予報さえ覆しちゃう気がしてる傘を畳んでいってらっしゃい
 バージョン違い。あべちゃんお誕生日のFC動画が本当に大好きで、見終わってすぐ作りました。作っていても楽しかったしお気に入りです。



2023.02.16 目黒蓮さん

忘れちゃうことをいつでも思い出す 春のはじめのにおいがしてる
 季節のにおいについて以前のラジオで話していたところから。感覚的で、言葉にしにくいなあと思うものを、はっとするくらいストレートに伝えてくれるところがあって、すごく好きです。

不甲斐なく立ち尽くしてた日のおれを絶対黒塗りなんてするなよ
 これまでのこと、を忘れないでいる人かな、と思って。めめさんの黒は、本当にそのままの黒だと思う。濁っていない、まっすぐの黒。

遠ざかることがあっても胸底にいとしくあって、と そう祈ってた
 一個人/アイドルとしての自分はどちらも大事、とずっと思っている人だと感じています。また、それはファン側も同じで、ファンである前にひとりの人間で、ファンだから○○しなきゃいけない、みたいなものはないよ、と繰り返し伝えてくれているんじゃないかな、と。そういう部分を詠みたかった。



2023.03.25 宮舘涼太さん

いい酒と料理と花と茶目っ気と気概で満ちた国に住んでる
 食べるのも好き、作るのも好き、というだてさんがとても好きなので、酒と料理を入れて。だてさんの好きな部分をぎゅっと詰め込んだ短歌。今見ると、こういう国に住みたいなあという気持ちがあふれ出ている。

いくつもの手札の中で迷わずにあなたは真っ赤なハートを選ぶ
 だてさんの赤って和の色味な印象もあったんですけど、トランプの赤、あれくらい鮮明な色も似合う人だなあと。だてさんのことを考えると、心臓や血の強さも思い浮かぶので、手札は「ハート」としています。

しゃんとして生きろよ自分 揺らがない足を矜持をもう忘れたか
 江戸っ子っぽさというか、きっぷのよさ、いつだって真っ直ぐ背筋が伸びて、涼やかな目をしている姿を描きたかった。




振り返りをやりたいとは思いつつ、かなり遅い時期になってしまったんですが、そのとき何を考えていたかなど、まとめて書くのはやっぱり楽しかったです。また何か機会があったらやりたいなあ。
何か気になる点などあればお題箱などから送っていただけるとうれしいです。
odaibako.net