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短歌と感想ほかまとめ

癖短歌のこと

突然ですが、これを読んでくださっているあなたは、癖(へき)をお持ちですか?
そもそも「癖」ってなに? と思われるでしょうが、わたしはこの言葉を「自分の中に深く根差している多少偏った好み」といった意味で用いています。辞書的な意味合いとはズレているかと思いますので、平たく言えば「どうしようもなく好きなもの」くらいで捉えていただければ幸いです。
ただ、これだけだと具体的にイメージしにくいと思われるため、いくつか実例をあげてみます。たとえば、わたしの癖はこんなかんじ。

・全部終わりにしたいのにあとぜんぶ忘れて飛び込むには理性が勝ちすぎて 明日のことを気にかけてしまって 結局ちゃんと次の日に響かない時間に帰ってきてしまうような そういう生温くってどうしようもない現実
・相手にしかできないことがある、相手にはそれだけの力がある、と強く信じているひとりと そう言われてもまったくピンとこない、どうして自分にそこまで望みをかけられるんだろう、余程そちらの方がよく出来るだろうにと思っているもうひとり すれ違ったままの期待のはなし
・食事の場面 食べものを口にする、味わう、だけではなくて 別の意味を持たせること

……書いていて少しいたたまれない気持ちになってきました。
ともかく、「好きなもの」はその内容について細かく問わず、設定、関係性、雰囲気、何でもありなことが伝わればうれしいです。


さて、この癖ですが、普段はあまり表に出てくることがありません。自分の中にはずっとあるのですが、誰かに話す機会もそうそうないので……。
しかし、ごくたまに、その癖をごりっごりに詰め込んだものが読みたくなることがあります。自分の癖がたっぷり詰まった、小説、漫画、短歌、などなど。どこかにないかな、と思っても、なかなかそう都合よく見つかるものでもありません。
誰か書いてくれないかな、代わりにその誰かの癖からも(自分がつくるものでよければ)書くから、というきもちが高まりまくったのが、昨年の秋。わたしはこんなことをポストしました。


見るからに私利私欲というかんじですが、ありがたいことに反応してくださる方々に恵まれました。
それならぜひやってみよう、一緒に遊んでください! ということで生まれたのが「癖短歌」です。また、合わせてルールも決めてみました。

・この癖(ヘキ)から短歌を作って!というツイートには #この癖で短歌よろしく をつける
・上記タグのついたツイートから短歌を作ったら、当該ツイートを引用するかたちで発表 + #癖短歌 をつける


とってもかんたん、これだけです。
癖も、癖短歌も、いつでも・どなたでもポストしていただけます。詠む数も1首からOK、もちろん連作を作っていただいても構いません。基本的なルールを守って、いろいろな方が楽しく短歌を詠/読めればと思っています。

最後に、いくつか癖短歌の実例を挙げておきます。(癖はフォロワーさんから、癖短歌はしまによるものです)


その他なにかご不明な点があれば、しま個人のDMもしくはお題箱まで。
odaibako.net