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短歌と感想ほかまとめ

短歌

log:202403 短歌

0301 「短歌桜」参加作 目の前をよぎる桜はあの街のまたは舞台の上にのみ咲く 0302 花束を抱いたあなたはまっすぐに飛び立ってゆく この先は春 にせのほし題詠 001 正義 善いものになりたいなれない全身に真綿の縄が絡みついてる 002 告解 あやまったやつか…

log:202402 短歌

0201 お題:割れたガラス 割れちゃっていいやつばっか残っててきみのグラスはまだここにある これ以上ないってくらいひどいのを想像しては痛む練習 そこらへんさわんないでねあと少しがちゃってなったまんまにしてて 0206 珍しく大雪の日の短歌(題・写真:…

短文のこと

短歌からイメージして短文を書く、という試みを、X(旧Twitter)でやってみました。 元はというと、昨さんとのいちごつみにある2首からお話を思いついて書いてみたこと(下記01)がきっかけです。 詳細は省きますが、わたしは元々お話を書いている人間なので…

いちごつみのこと

2023年12月から2024年1月にかけて、2名の方と計3回いちごつみを行いました。その記録及び自作解説をしたいと思います。 はじめに、これはいちごつみに限ったことではありませんが、解説とは言いつつも、そう読まなければいけないという訳ではありません。も…

相互題詠のこと

2023年11・12月に、3名の方と「相互題詠」をしました。 その記録及び自作解説をしたいと思います。 はじめに、これは相互題詠に限ったことではありませんが、解説とは言いつつも、そう読まなければいけないという訳ではありません。もちろん、違った解釈をし…

log:202401 短歌

0101 花吐き病 泣くよりも先に気配がやってくるときの正しささえ沈丁花 誰からも見られずに咲く立葵 手折ったときがいっとう好きだ 花びらが気管に入り粘膜の味がどんなか分かんなくなる 正解を知らないままのきみが塗る金木犀のハンドクリーム ほっそりとし…

2023年 短歌・アイドル短歌振り返り

#自選10短歌集2023 に参加しました。 フォント・文字色はどちらもお任せにしています。文字色の「バーントシェンナ」は「焦がれてる色なイメージ」とのことで、昨年までとはまた違った面にフォーカスしていただいたように感じてうれしかった。主催の鷹野さん…

log:202312 短歌

1202 toconoma「Second Lover」 ぺたんこの靴をかわりに履いていく今夜はどこも痛くならない 生野菜だめなんだっけ(違うっけ)だめだったのはわたしだったね ここからはさわっていい、ってサンプルはきみじゃないけど多分合ってる 1203 音楽と思った、きみ…

ネットプリント「あなた」のこと

2023年11月26日に、ネットプリント「あなた」を発行しました。 今回、そのPDF版を公開します。 drive.google.com このネプリは、関ジャニ∞丸山隆平さん40歳のお誕生日にあてて作成したものです。 今年は5月にも、Snow Man深澤辰哉さん31歳のお誕生日にあてた…

#読む短歌 スペースのこと

Twitter(X)にて「#読む短歌」というスペースを計4回開いていました。 きっかけは、自分のスペースで、過去発行したネプリ「そのひと」を音読したこと。 ゆるっとした音読と解説の録音はこちら↓ https://twitter.com/i/spaces/1RDGllBRNDkGL 普段はもっぱら…

#にせのほし題詠 のこと

お題の詰め合わせを作りました。 基本的には、報告不要でご自由にお使いいただけます。 かんたんな使いかたの説明と、念のための禁止事項について、こちらにまとめておきます。 お題の詰め合わせ「にせのほし題詠」 使いかた(参考) 利用報告・配布元表記に…

log:202311 短歌

1107 好きなもの詰め これっきり最後になりませんように そうは言わないけどまたねって 思っても言わないことが増えていく 薬指だけやけに冷たい 目を伏せる、ゆっくりひらく きみがいてよかった以外わかんなかった 1108 ちいかわ ひとかけの生姜を刻む間だ…

log:202310 短歌

1019 癖短歌(今の好きな人に昔の好きな人の面影を見つけてしまう罪悪感/似ている所をわざと見つけに行ったりして、昔の人が好きなままでいまこの人を好きでいていいのか代わりにしているのか みたいな) 笑うときちょっとくしゃってなる顔が好きです ずっ…

企画「地獄めぐりの旅」に参加しました

企画「地獄めぐりの旅」に参加しました。短歌企画『地獄めぐりの旅』33名による136首の地獄たちをお楽しみください#地獄めぐりの旅 #tanka #短歌 pic.twitter.com/q2S770oIP7— 杏湯 (@haj2l6) 2023年9月16日 1〜4 pic.twitter.com/ZXbGBiTPFn— 杏湯 (@haj2l6…

ネットプリント「ある故障」のこと

2023年9月26日に、ネットプリント「ある故障」を発行しました。 今回、そのPDF版を公開します。 drive.google.com 内容としては、9月16日にTwitterで発表した9首連作をベースに、8首を新たに加え、再構成したものです。 以下、簡単ではありますが、内容や作…

log:202309 短歌

0903 企画「地獄めぐりの旅」提出作 地獄とは言わないままに妹の死を語りゆく八月の祖母 覚えとらんことも多かと長崎に生きて幾度の夏をあなたは 首のない聖人像の前に立ち握られた手の強かったこと 0912 頼むからどっかにやっちゃわないでって聞いた気がし…

log:202308 短歌

0805 国道の裏に花火が上がってて欠片くらいは照らされている 0821 息継ぎの合間泣かずに済んだこと 白線だけが正しく見えて 目を伏せていち、にい、さん、で消えちゃえるタオルケットにくるまっている ぎこちない文章を書きいくらかはまともなふりを思い出…

log:202307 短歌

0702 こうやって終わってくんだ寝て起きてそしたら全部消えちゃってんだ 私って漢字表記でスペースは全角だった 顔は知らない またねってちゃんと言ったんだったっけ思い出せなくなるときは来る 0707 代替品 わたしは鳥になれないしエフェクトだってよく使え…

ネットプリント「そのひと」のこと

2023年5月7日に、ネットプリント「そのひと」を発行しました。 今回、そのPDF版を公開します。 drive.google.com 「そのひと」は、2020〜2023年春までに作っていたあるひとについてのアイドル短歌をまとめたものでした。 あるひと、もう少し明確に言うと、わ…

企画「みんなでいちごつみ」に参加しました

企画「みんなでいちごつみ」に参加しました。 皆さんの短歌に刺激を受けて、前向きにしっかり作ることができました。ひとりで作っていると、どうしても内容が凝り固まってくるので……。短歌を読むのも、そこから摘んでいくのも、シンプルに楽しかったです! …

log:202306 短歌

0601 言葉より早くまばたきより遅くフィルムへあなたを閉じ込めてゆく 0602 雨の日の硝子を拭うときの手ではじめて触れるひとの曲線 ちぐはぐな味とにおいのコーヒーもとうに慣れたよ きみのせいでさ 抱きしめるのってこんなでよかったか一緒の夜に分かんな…

log:202305 短歌

0508 恐れなどひとつも消せやしないまま膝を立たせた 日の光さす … 2021年 音楽のすゝめ 落ちてった先には底があることを今は救いと呼ばせてほしい … 2022年 最下層で 花びらとくもりを見間違えたって春はおそらくぼくを責めない … 2023年 やえ 0509 今日だ…

log:202304 短歌

0412 ためいきに該当しない する しない 吸って吐いてることに意味など ぱらぱらと剥がれ落ちてく借りものの言葉を愛せるはずもなかった 0417 チャレンジでやったところだ このときの僕の気持ちを記述しなさい 来世ってものがあるなら今度こそきみを好きには…

log:202303 短歌

0301 短歌桜 空中の埃も舞った花びらも光を受ける 忘れられずに 0301 ふっつりと落とす電源 ひとのことすすんで嫌いになんなくていい ぼくだけがずっとみにくいままだったフロントガラスにゆうべの雨が びりびりに破って散らすとき一等きれいだったねそれじ…

log:202302 短歌

0205 題:電信柱・スターバックス・カレンダーのどれか→スターバックス おすすめのカスタマイズは何だっけ 思い出すのはきみの声とか 凹んでる部分に多めのハチミツをかけるくらいは許してほしい ふさわしくなれない僕は甘すぎたラテのカップを持てあまして…

log:202301 短歌

0103 後ろにはきみがいるからはじめての駅で降りてもこわくなかった →ドラクエの隊列組んだぼくたちは知らない駅もこわくなかった おにぎりにするからぜんぶ食べちゃっていいよ、こっそり泣いてもいいよ カーテンを開けばきみにいつだって今夜見ていた陽が差…

2022年 短歌・アイドル短歌振り返り

#自選10短歌集2022に参加しました。 2021年に引き続き参加できてよかったです。作ることは継続して出来ていますが、振り返る機会はなかなかないので。 文字色とフォントはどちらもお任せにしました。前回もお任せにして、とても嬉しく楽しかったため。 前回…

log:202212 短歌

1204 12月コミュニティ題詠:紅または白 コンビニで売られ始めた白湯のこと、もしくはたまに撫でてく小指 紅白のどっちがいいと聞いたのに放っておかれたままの饅頭 好物はあとに残す派 紅生姜よけてるきみは嘘をついてる 白玉粉練っていながら耳朶のやわさ…

log:202211 短歌

1104 11月コミュニティ題詠:カラパレ詠 やさしいのやめたくなった。セーラーの襟を返して駅へと走る。 テラコッタ、あの子はうつむくことがない。膝上少しで揺れるスカート。 澄ましてるつもりもなくて、ただ髪があんまりきれいなこれは代償。 どこにでもい…

log:202210 短歌

1002 いちばんはお互いじゃないところだけぴったり同じで愛しやすいな 別々の個体でぼくらその割にブレスの位置は完璧だった いつまでもぬるいまんまだ 真っ白な指のいかにも慣れたばいばい 1009 終われたらよかったのにね 白熱灯、向かって右側だけの点滅 …