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短歌と感想ほかまとめ

log:201901 短歌

踏み荒らしぐちゃぐちゃにしていいなんて誰が許した百字で述べよ

めちゃくちゃになってしまえと願うほど裾のほつれが気になってゆく

いつまでも鳴らない風呂の給湯を待ちつつ膝を抱えて眠る

さみしいかどうかはわたしが決めるから勝手に値踏みして哀れむな

自分ひとりのことも上手にできなくていつになっても足が冷たい

止まったらだめだひたすら追い抜いていけよあいつもお前も、ぜんぶ

延命は要らぬいつかはここを去る泣くなら叫べ足掻け果てまで

間違えてないと言い張る気はなくてごめんなさいとすぐに囁く

うずくまりうつむいたって消えやしない分かっていても治らぬ猫背

ぶん殴るために上げてた手を下ろす(当たったら痛い)言い訳をする

諦めることに慣れてくはじめから期待しなけりゃ泣くこともない

ああすればこうすればって思っても結局何も果たせず終わる

蓋をして土に埋めたと思っても気付けばそこでじっと見ている

いつ何を間違えたのか分からないまま延々と停止、再生

ささくれて棘にまみれている今もかつても明日はどうだ

ごうごうと通り抜ける風聴いているいつかわたしを連れ去ってくれ

飲み込めぬものが長らく喉にあり時折起きてざらざらと鳴る

じんわりと冷えてく指に目を落とす気付けばずっと欠けてるネイル

降りますのボタンが押せず席にいるずっとどこにも行けずにいたい

何てことないふりをする義理もない(ほんとはずっと嫌いだったよ)