0316
おりぼん春号
ようやっとここに来られた きみのことあんま嫌いになれないよ、春
平気って言わなくていい泣いててもぬるい夜風が頬を撫でてく
0402
題詠「天井」または「片思い」
情愛の話はひとつも出なくってそういうとこが特別だった
ハグしない手を繋がないキスしない隣り合わせで息するだけの
恋人じゃなくって誓約保証人として捺印お願いします
0405
#ゴー・シチ・ゴ・シチ・シチで始まる短歌の短歌がみたい
ゴー・シチ・ゴ・シチ・シチたったこれだけでわたしは違うものにもなれる
ゴー・シチ・ゴ・シチ・シチきみにこれだけを渡せたのなら充分だった
0410
ぬかるんだ椿で埋まるアスファルト踏みつけたのはわたし、わたしだ
泣きわめきそうな部分にありったけ突っ込んでおくポテトチップス
不幸自慢これっぽっちじゃ取り立ててかわいそうでも何でもないね
0417
いちごつみ(Discordアイと短歌鯖)
かろやかに手を振るきみが人波にまぎれる、きっと忘れてしまう(まぎれる)
0425
テトリスの上3段しか空いてないくらいの電車なんて消えちゃえ
むしゃくしゃのくをむに変えてくれ早く塩胡椒して平らげてやる
いちごつみ(Discordアイと短歌鯖)
吊り革に頭突きしたとこ、嘘もっと前の前からやり直したい(突き)
0428
きのこの山・たけのこの里詠み込み
折れてないきのこの山を目一杯選りすぐったらきみにあげたい
たけのこの里を整列させてから分けてくれるのきみっぽかった
0428
コジヤジコ初の回文個展『光る番が来るからな。』印象
目の前で回り続ける言葉たちここにある詩はずっとやさしい
ひとつずつ文字がかたちを持ったなら豆電球の温度で光る
そこだけがぼうっと明るい路地裏で順番を待つ 待つと思える