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短歌と感想ほかまとめ

log:202204 アイドル短歌

20220406
滝沢歌舞伎ZERO 2022
コミュニティ4月題詠:新、咲

まっさらな服を体になじませてようやく春を好きになってく
全身を震わす声を聞き違うことはないって強く誓うよ
いつからか咲いてた花にあいさつを 今年もあなたに会えてうれしい




20220410
映画 おそ松さん
右から:6つ子(長男〜末っ子)、物語終わらせ師(エンド・クローズ・ピリオド)

兄さんと呼んでてくれよ平凡なおれにかたちを与えてくれよ
誰ひとり先の読めない筋書きのストーリーこそおれに似合いだ
真っ当なふりをするにもコツがいるきみを笑わすことができない
底辺にいたって夢を見ることは許されている 生まれ変わって、
にぎやかでさみしいきみは特異点だれも知らない惑星にいる
まばたきは多めに笑みは絶やさずにかわいこぶるのもぼくの才能
‪おしまいはすぐそこにいて手を振ったハロー、まただ きみのいる世界‬
‪家電ほど単純じゃないぼくたちの明日を殴り幕引きとする‬
定石の通用しないやつといて物語には終わりがこない




20220417
Snow Man 深澤辰哉
BARFOUT! vol.319

ここにいるぼくじゃなければ春草のにおいを嗅ぎもしなかったろう
深くまで手を差し入れて心臓の(または痛みの)位置を覚える
目のふちに触れるとわずかに濡れている かなしいことはないよ、なんにも




20220420
お題:東京または動機

ほとんどが光の粒だ天井のそばからきみと信じて見てる
生きてる、と、どうしようもなくあなただ、とぶん殴られて思い知りたい

行けてない東京ドームも三回目集団接種であれば入れる



20220423
Snow Man 深澤辰哉
JELLY6月号

きみの顔もっとはっきり見たくって目深にかぶった帽子をずらす
特別にほんとのぼくを教えちゃう、なんてね おどけてみせてばいばい
強張った唇だってほどけてく誰よりやさしい魔法をあげる




20220426
何度でも巡り合おうね巻き戻すあなたは決していなくならない

雑記:滝沢歌舞伎ZERO 2022(新橋演舞場)

  • 歌舞伎は今まで円盤と映画、配信でしか見たことがなくて、はじめて生で見たんだけど、生で見ることが前提なんだなと改めて思ったというか、肌感覚としてすごく感じた
    映像では納得しきれないというか、無意識に理由とか背景を求めてしまってすっと入ってこないものも、同じ空間にいる人の圧、息遣い、そもそも人の体のかたち、動かしかた、それそのものの美しさ、を前にすると、理屈は抜きにまずこれを見せたいんだな、この感覚を持って欲しいんだな…と思うというか
  • たとえば腹筋太鼓ってすごいとは思うんだけど、映像で見ているとふっと我に返ってしまうことがあって(何をやってるんだろう…?みたいになる)でも実際そばで音、体の動き、表情、を感じていると、想像以上に圧倒された
    体の美しさ、動きのしなやかさ、は生で、そこにいる人、を見てはっきりとわかることがあるんだな〜というのがすごく個人的には発見だった
    座席的に、座ってそのまま、視線の行く先がひかるくんの背中だったのだけど、ほんっとうに体が美しくって 肩甲骨の正しい位置と形はここなんだな、と思うというか あと肋骨と脇腹のあたりの、骨…?出っ張り?もはっきり見えたんだけど、あれなんなんだろう…人間ってそこ凹凸できるんだ…と思った
    正しく骨があって、筋肉が無駄なくついて、その他の肉と皮もあって、ていうのが それがまた正しい動きをしているのが 詳しくないけど見ていてすごく気持ちがよくて、美しいなあと思った この感覚は映像で見ているときにはあんまりなかったな〜という気がする 少なくともわたしは映像だとうまく受け取れなかったんだろうなあ
    ひかるくんさすがだなと思ってびっくりしたこと以外だと ふっかさんしょっぴーがひかるくんとからうちゃんとかの先にいるのが見えたんだけど その遠目でもふつうに肋骨がうっすら浮いてるのが見えて 筋肉もついているけどいやでもとにかく華奢…ごはんたくさん食べて…と思った もう何目線なんだかわからない
  • ふんわりとしたふかざわさんの話 やっぱりあの人の 舞台に立っているときの気配、雰囲気、その場への居方、がほんとうに好きだなと思う 感情の揺れ、が見えないわけではないのだけど 手触りがさらっとしていて するすると切り替わる
    さらっとしていることでかえってこわいな〜と思ったのが「Into the sky」の殺陣で 人を斬っていくのにほぼ感情が見えないこと
    以下、これはとてもよかった、と思って言うことなのだけど
    動きも滑らかで無駄がないから斬ったり刺したりしているのがわからなくて 最後の方、後ろから深々と刀を突き刺して、刀や体が赤く染まって見えてようやっと、ああこのひと、今人を殺したんだ、とわかるかんじ
    刺すことの、痛み、重み、苦しみ、を表現することより なんとも思ってないことの表現のほうが強いというか いかに無駄なく動いて倒すかみたいな 動きの美しさというか そういう表現が似合うなと思った
    あとほんとラップ格好よかった…とてもいい…深澤さんの声のかんじ好きだな〜としみじみ思う 耳に心地よい なんかあの歌うときのかんじもあっさりしてるんだよなあ 気負ったところがなくって 高くもなく低くもなく
    新曲のもそうで 動きがなめらか、やわらかくって、さらさら流れてくかんじ 風とか水とかそういうイメージ 蛇口を捻って出てきた水に手をかざして、触れられるように思っても掴めない、みたいな
    軽々やってしまうから簡単そうに見える、力を抜いているように見える、ってこういうことか、とすごく思った 本当にはすごいことというか、難しいことをやっているのだとしても、そう感じさせない雰囲気があって

    ★以下、全体を通して思い出したところ

  • ひらりと桜、はじまりのばっと花吹雪が落ちてくるところ、ほんと生で見ると余計、重量!!ってかんじがあってすごい 花びらが多い あとから落ちているのを拾って見たらちゃんと花びらの形してるのね…すごいな…
  • ひらりと桜の 最後の方でこーじくんがちょっとうしろのふっかさん振り向いて アイコンタクトして笑ってるかんじあってとてもよかった 気のせいかもしれないけどまあしてたと思う
  • ITSUKA、お姉さん侍らせて出てくるめめさんの衝撃がでかすぎる ひとりずつ出てくるのとせり上がる?上下する?セット格好よかった あとなんか初っ端から出演者総出なのでいきなりクライマックス感がある
  • めめらうちゃんふたりのやつ、格好よかった 黒白 スタイルが鬼のようにいい でもなんか途中じゃんけんしてる?のめっちゃかわい〜 衣装がふわっとしてて、らうちゃんが自分の服の裾を摘んだままめめさんの肩に手を置いて向かい合って、体が服でふんわり隠れるのよかった きれい
  • Into the skyの 殺陣と歌・ラップがゆり組さんとふっかさんでも〜〜めちゃくちゃ好き…てなった かっこいい〜!!個人的になんの感情もなく人を斬ってくように見える深澤さんがほんとに最高すぎて まじで無の顔なのと動きがなめらかすぎてえげつなさがないのがかえってめちゃくちゃに怖い とてもよかった
  • 変面、きれいだった 動きに無駄がない 変面に限らずだけど、ひかるくんの動きはいつでも正解というかんじがあって美しい ただちょっと思ったのは、変面自体は結構映像向きなのかも 生だと角度的に見えないところがあるので… 固定カメラで置いておいて、ずーっと見てるのに一瞬で変わって、今何やったの…?ってなるのがいいのかな…
  • my friendのあべちゃんとこーじくん、ハモリめっちゃきれいね…てなってた 声の相性いい〜 高低うまく噛み合ってていいんだな… しかしこれさくまくんもずっと動いててすごいし、見るとこいっぱいあってぜんぜん消化しきれなかったな…
  • 新曲もよかった〜ふかざわさん動きなめらか…なんか難しいことやってるんだろうけどあっさり見えるというか、苦しそう辛そうに見えない、さらっとやってるかんじがするの、いつもながらすごいなと思う あと深澤さん歌割りのとこ「どこへでも行ける」っていう歌詞が多分あってそれがすごく好きだった
  • あと新曲、こーじくんの衣装すごく好き、ベストにフレアパンツかな?かっわいい〜すごく似合ってた
  • 創作歌舞伎のあたり、やっぱりだてさんすごい動きがきちんと重くていい 好き〜 あとお顔がはっきりしていてすぐ見てだてさんだ!ってわかる安心感 ふかざわさんも結構わかるんだけどこれは鼻筋で判断してるな、と自分で気づいた すっと通ってる
  • 連獅子はもうよくわかんないんだけどおめでたさがすごかった 圧倒的(あとこれはもう演出というか演目の都合なのであれだけど、花鳥風月は映画とかのあの印象が強いのでそれはそれで生で見たいね…と思った 個人的には)
  • 二幕、やっぱり基本がメタな笑いなんだよな…となる 登場人物紹介が加わってはいるけど今までの流れというか変遷がある程度頭に入っていること前提だし まあいきなり歌舞伎だけ見にくるっていう人もそんなにいないだろうからってことなのかな…
  • 生で見てみると、最初の方のあれこれはとにかく、最後の大立ち回りを派手にやるためのものなんだな…というかんじがして、映画で見たときの辻褄の合わないかんじというか人物たちの行動動機が読めなくて若干モヤっとするかんじが薄れた(そもそもあの話に辻褄を求めるのがだめなのかもしれないけど)
  • あとなんだろ アドリブありきというか、舞台の、その日そのときの展開のおもしろさ、一度しかないもののよさ、を重視してるんだろうなと思う だからある程度設定とか背景がふわっとしててもよいというか 瞬発的なおもしろさを生む仕掛けというか
  • 話とか登場人物的にはなんか銀さんが個人的にはすごく好きだったな…しょっぴーはメタな笑いをやる匙加減がうまいのかもしれない ツボを押さえてる
  • こーじくんはほんと悪いお芝居やると凄みが出ていいなと思う なめらかだった〜
  • 徳俵さんが旗本っていうのをちゃんと認識したんだけど、旗本がわざわざこんなとこ来てこんなんしてていいの?!ってなったな いやだからそういう辻褄を求めちゃいけないんだろうけど…
  • お丸さんはなんか、安定してたな…動きがコミカル…そういえば鼠さんのお葬式の喪主やってたけど、あれも冷静に考えると結構謎で、喪主って大体身内がやらないか…?ってなるけどなんなんだろ これもまあ辻褄というか細かいとこ言い出したらキリないのであれなんだけど
  • 水を使った演出、客席にいても最初からわりとずっと寒さを感じたので、動くとはいえあれ演者絶対きついなと思う 風邪ひかないでね…
  • WITH LOVEで横一列になるとこ、あべちゃんとこーじくんが目を合わせて笑ってて うれしそうに大切そうにするからほっこりした…おだやか…
  • いつも深澤さんばっか見ちゃうとはいえWITH LOVEはそれに輪をかけて深澤さん見ちゃうな…と思う きれいすぎて 映画だっけ去年の配信だっけ、いちばん最後手元が抜かれたの深澤さんだったな〜て思い出してた
  • 深澤さんの 遠くを見るような目が好きなんだな〜と思う 中にいろんな感情があったとしてもそれをひとつくるんで、やわらかいものに変えて、ふわっとおもてに出すかんじ そこにいるんだけど触れないかんじ でも冷めてるのではなくて体温はちゃんとあって、ていうバランス 好きだな〜と思う

log:202203 短歌

0301 短歌桜(3首目のみ新)
さみしいとおなかがへったを間違えてぬるいごはんを食べながら泣く
くたびれた腕で支えた花束へLEDの真白いひかり
欄干を飛び越えるにはあまりにも日向に置いた右手がぬくい



0313
泣きたくて泣いてるわけじゃないときのわたしは穴があいてるうつわ

書いてあるとおりに作るそれ以上よくも悪くもならないケーキ
すり切りの余分とされて落とされる側にばっかり立ち続けてる



0318
あったかくなったと笑ってほしくって日向の量を増やしておいた
肌寒い、くらいで済んだ夕暮れにひさしぶりって挨拶をする
うまれたての春は加減を知らなくてわたしの背中を強く押し出す



0328
干したてのタオルケットにくるまって眠ってしまう日向をあげる
おまじないかけたらきみを傷つけるものがきれいに消えますように

log:202203 アイドル短歌

20220321
題:信仰

洗礼を受けなくたって人間を神と信じることはたやすい
発売日まではライブに行くまでは勝手に寿命を引き延ばしてる
偶像はいけないものと教わった子どもはいずれ偶像(アイドル)を知る
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かみさまは電車にも乗る今ここでおんなじように生きる東京
もう楽になってください かみさまがかみさまじゃなくなった春の日
信じても救いはないと知っている声も立てずに泣いたかみさま
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吐き出した息は乱れてかみさまも生きてる人とはじめてわかる
残響が伸ばした手足に絡みつく舞台にのびる九つの影
なくなってしまったとして好きだったことを厭わずいると誓うよ
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20220325
Snow Man 宮舘涼太
お誕生日おめでとうございます!

右の手を掲げて示す誰しもにあなたの愛はひらかれている
薔薇の名の鳥よ歌えよ行く道を存分愉快に彩ってくれ
理屈ならこの身を貫くものひとつ激る血潮の音を聞いたか
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20220327
Snow Man 深澤辰哉
週刊朝日表紙

やさしさにかたちがあれば深々と降らすあなたを眺めて過ごす
棘のある花にさわった手のひらに傷が増えても構わなかった
くせのない声も遠くを見てた目も消えちゃいそうで忘れられない
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log:202202 短歌

0203
あるはずのないセンターに駆け込んで足りない夜をやり過ごしたい
遅れてた手紙が届くおもてうら撫でてみてから大事にひらく
無造作に渡してくれた小包があんまりあったかくって困った



0204
街灯は正しくともる 手のなかの、自分のものにはできないことば
階段や横断歩道を行きながらふいに零れるチヨコレイ
全身に纏いつかせて、気付かないふりしてたかったなんていまさら



0205
どうせなら降ってくれれば鈍痛も理由ができて報われたろう
錠剤を水なしで飲む 長引いた喉のつかえを正当化する
手の甲がふれかけただけ(今はもう体温すらも覚えていない)



0206
逆剥けをそうとわかって引っ張った 壊してしまうのなんてすぐだよ
掻きむしる腕や塞いだ耳や目を撫でてく熱があるのならいい
おそらくは会わずじまいになる人はこの遠吠えを聞いただろうか

(連作)
とかさないようにそうっと触るからそばにいること許してほしい
雪だってこぼした声が結晶になって空から手のひらへ降る
滴っていく電線にある雪もきみが堪えたかった涙も
まっさらな雪に足跡つけていくときの音だけ聞こえていてね
頬に降る雪の重みを受けながらステージで見た光を思う
とけてゆくものに名前があることの 冬のにおいを浅く吸い込む
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0211 題:眠り
綿布団かぶって眠る泥のなか咲かない花の夢を見ている



0213
レトルトのかんたんな熱 泣いたのを火傷のせいとするにはぬるい
かぶりつくファストフードはカロリーの味がしていて安心できる
サンプルのほうがよっぽどおいしそうつぶれた目玉を半分に割る



0219 短詩の風
(既発表2首)
払っても払ってもまだ髪の毛に花びらつけたまんまのきみだ
春先の息がしにくい現象に名前をつけてくれりゃよかった
(新)
雨粒をくぐってきみへ会いに行くなるべく明るい傘をひらいて



0220 題:どうぶつ
抱きしめたくまの体は綿製で埃と涙のにおいがしてた

濡れている目元は雨のせいだってきみが言うのを黙って拭う
飛ばされていかないように指先を互い違いに結んでおいた



0227 題:愛
‪寒いってこぼせばすぐに貼っていたカイロをくれる母というひと‬
‪・‬
さむがりなひとの隣に立っているさみしいなんて思わないでよ
‪こわがりなきみの睫毛が濡れているきれいだなんてうっかり思う‬



‪0228‬
肩の骨掴んでみてもびっくりはしないくらいに許されている
ぐらついたときに伸ばした指先を迷わず取ってくれてよかった

log:202202 アイドル短歌

20220216
SnowMan 目黒蓮
お誕生日おめでとうございます!

目立たない色やかたちの星たちも光年先に生きていること
ぶれんな、と繰り返し言う 吐く息が遠く流れていくのを見てる
歴然とした差があっても走ってくゴールポストは輝いている
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20220227
Snow Man 深澤辰哉
Gina表紙

まっさらな顔して嘘か本当かわからないこと教えてくれる
悲しみも怒りも愛も薄紙に包んでしまう細い指先
伏せられた瞳は深い色をしてさざなみさえも隠してしまう



20220228
J31Gate 第24回「人」提出作
Snow Man 深澤辰哉
人生のどこかできみとすれ違う 眇めた瞳に日が差している

テーマ「人」を受けて、アイドル全般を主題とした短歌にするか、どなたか個人を主題にするか悩んだのですが、今回ひとつの区切りとして、やっぱり自担の短歌を作っておきたいなあと思ったので、このひとを主題に持ってきました。
物理的にも、ファンになるという意味でも、人生のうちで出会う機会はなくても、アイドルも同じ時代・世界に生きる人間なので、もしかしたらどこかですれ違うことはあるかもしれない。その、あるか分からない一瞬のことを詠みたかった。
また「すれ違う」としたのは、以前に同じく深澤さんを主題として「雑踏を抜けてく夜の交差点決して後ろは振り返らずに」というアイドル短歌を作っていて、そことリンクさせる意図もありました。
交差点ですれ違うとき、真正面から来た人がまぶしそうに瞳を眇める。まぶしい、ということは、その人の行く先には日が差していて、明るい場所であるはず……と、そういった祈りを込めて。



Snow Man 向井康二
親指と人差し指のフレームを挟んでぼくら笑い合ってた

2首提出できるうち、1首は先に決めていたので、折角ならもう1首はまったく違うものにしたいと考えていました。いろいろ考えたのですが、シンプルに何より人が好きなひと、と思ったときにふっと浮かんだのが康二くんのことでした。人が好きで、いろんな人と一緒に笑い合っている、そういった面を詠めたらなあと。
また、康二くんの撮る写真や、そこに写る風景や人物の姿・表情がとても好きなので、写真・カメラにまつわるものに、と思ったのですが、なかなかうまくまとまらず……途中で、以前に行ったライブで、康二くんが手でカメラを作ってメンバーに向けていたこと、相手も少し照れくさそうにしながら笑っていたこと、を思い出して、その場面を描くことにしました。
できれば「人」という語を読み込むこともしたい、とも考えていたので、シンプルな形ではあるのですが、入れたかった要素はまとめられたかなあと思っています。

log:202201 短歌

0112
写真だとよさが伝わらないことはわかってたけど一応撮った
大切にするやりかたをひと通り聞いてまともなふりをしてみる

脳直で喋ってたって流しててくれるおかげで息ができてる
あたりまえだって顔して来年もおんなじ坂をくだりたかった



0114
接続を探しています 輪の中にいつまでたっても入れないゆめ
disconnected 繋いだはずの手にぬるい体温だけを残して



0115
うずくまり泣いてる人を隠そうとセンサーライトがふつりと切れる
ひらかない自動扉の前に立ちぼくは恐らくどこにもいない



‪0120‬
ゆびさきが冷たい あなたは数匹の羊を数えて眠ってほしい
まっさらな雪に足跡つけていくときの音だけ聞こえていてね
‪身勝手な祈りだとして痛むのはこの先ずっとぼくだけでいい‬



0130
大切にしているものを渡してもきみならしっくりくる気がしてる
愛だって言っても笑いはしないとこあなたが思っているより好きだ



0131
情けないぼくをどこかで捨ててきたボールチェーンをつまんで離す
ざらついた舌を落とせずいるのなら向こう百年目覚めずにいろ

滴っていく電線にある雪もきみが堪えたかった涙も
とかさないようにそうっと触るからそばにいること許してほしい