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短歌と感想ほかまとめ

ネットプリント「あなた」のこと

2023年11月26日に、ネットプリント「あなた」を発行しました。
今回、そのPDF版を公開します。

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このネプリは、関ジャニ∞丸山隆平さん40歳のお誕生日にあてて作成したものです。
今年は5月にも、Snow Man深澤辰哉さん31歳のお誕生日にあてたネプリを出していました。自担と呼ぶおふたりそれぞれに向けて、ささやかではありますが小さな歌集を作れたこと、とても嬉しく感じています。


上記記事の通り、「そのひと」については以前、簡単な振り返りをしていました。そのため「あなた」についても同様に、作るときに考えていたことなどをまとめておきたいと思います。
ただ、こちらの記事はあくまで記録であり、「あなた」及び収録短歌について、その読み方を限定する意図はありません。ご自由にお読みいただければと思います。

全体の構成

既発表の11首+新作4首を元にした連作2編と、新作25首からなる連作1編を収録。
既発表ベースの連作2編は、X(Twitter)で丸山さんのお誕生日をお祝いするポストをした際にもあげています。
新作25首については「アイドル短歌25のお題」をお借りして作りました。こちらはネプリでのみ発表。

ネプリを作ろうと思い立ったとき、
・丸山さんの年齢と同じ40首収録としたい
・既発表作と新作を織り混ぜたい
・「アイドル短歌25のお題」を、ひとりの人モチーフでやってみたい
……といったことをはじめに考えました。
まず、その時点で既発表だった短歌を数えると11首。これに「アイドル短歌25のお題」から作る新作25首を足すと36首。
残り4首については新しく作るほかないとして、
・何をテーマにするか
・既にある短歌と並べて違和感がないものに出来るか
といった部分について考えることにしました。

既発表ベースの連作①

あの夏を、強く祈ったあの夏を、おそらくきみは忘れたろうね
特別と呼んでたかった 一番になれないふたりであったばかりに
ぬるまったビールはいつかとおんなじで、だから嫌いだ、なんて感傷
捨ててればいいのにどうせ残してる、なんてお前を定義したって
訳もなく手は繋が(げ)ない ぼくたちは正しい答えをもう知っている

この連作は、2012年9月5日に、丸山さんと錦戸さんへの罰ゲームとして行われた「ほほえみデート」を思い返しながら作りました。
とはいえ、彼らが過ごしてきたいくつもの夏、それぞれに当てはめて読めるところもあるかな、と思います。
この連作については、内容の独立性が高いため、表現の修正以外は手を加えないことにしました(3首目のみ一部修正)。

既発表ベースの連作②

もうひとつは、3月18日/10月4日にそれぞれ発表した連作を解き、さらに新作4首を組み合わせたもの。

・3月18日発表分
だんだんと思い出せなくなるNの字が薄まったキーボードキー
全身をはたいて部屋へ諦念は泥より砂に近いだろうか
この時期は黄色が ううん なんでもない 眠れなくても目は伏せておく
 → 3月16日に更新された丸山さんの日記にあった花粉についての記述から膨らませました。
   花粉の話ではありますが「Nの字」「黄色」など錦戸さんを連想させるモチーフを入れたのは、わたしの感傷によるものです。

・10月4日発表分
もう平気、いいことあるよ 8のつくぼくらがかける新たな魔法
8の字が並んでいたら間違ってないってずっと思っていたい
きみの見る車のナンバープレートが8のゾロ目でありますように
 → こちらも、10月4日の丸山さんの日記から。車のナンバープレートの話でした。
   この3首はそれぞればらし、表紙に持ってきたり、連作に入れ込んだりすることにしました。

・新作4首
大切にしてくれるとこ同じだけ撫でたくなったあなたみたいに
笑うしかないほど痛いこともある だから何だとあなたは笑い
似合うってきみが教えてくれたこと含めて好きな色が増えたよ
誰よりも大きく口をあけているきみを見てたい きっと叶えて
 → 3月18日発表分が錦戸さんを連想させるものだったので、それに対応するものとして、現在の関ジャニ∞メンバーについての短歌を作りたいと考えました。
   1首目から、横山さん、村上さん、安田さん、大倉さんそれぞれと、丸山さんとの関係をイメージして作っています。

再編集した連作2編

こうして、既発表11首と、新たに作った4首を組み合わせ、連作2編に再編集しました。



きみの見る車のナンバープレートが8のゾロ目でありますように

あの夏を、強く祈ったあの夏を、おそらくきみは忘れたろうね
特別と呼んでたかった 一番になれないふたりであったばかりに
ぬるまったビールはいつかとおんなじで、だから嫌いだ これは感傷
捨ててればいいのにどうせ残してる、なんてお前を定義したって
訳もなく手は繋が(げ)ない ぼくたちは正しい答えをもう知っている



もう平気、いいことあるよ 8のつくぼくらがかける新たな魔法

大切にしてくれるとこ同じだけ撫でたくなったあなたみたいに
段々と思い出せなくなるNの字が薄まったキーボードキー
笑うしかないほど痛いこともある だから何だとあなたは笑い
全身をはたいて部屋へ諦念は泥より砂に近いだろうか
似合うってきみが教えてくれたこと含めて好きな色が増えたよ
この時期は黄色が ううん なんでもない 眠れなくても目は伏せておく
誰よりも大きく口をあけているきみを見てたい きっと叶えて
8の字が並んでいたら間違ってないってずっと思っていたい




新作25首

前述の通り、「アイドル短歌25のお題」を元に作ったものです。


以前にもこちらのお題からアイドル短歌を作ったことはあるのですが、その際には架空のアイドルを主体としていたため、ある特定の人物をしっかり中心に据えるのは初めてでした。
25首とある程度の数があるため、行き当たりばったりで作るのは難しいだろうことは予想がついていました。そのため、いくつかルールというか縛りのようなものを決めることにしました。そちらの方が自分としては作りやすくなるのと、ひとつの連作としてまとまりが出るだろうと考えたためです。
先に決めたルールはこちら。

・1首目と25首目は対にする
・ファン(わたし)から見たアイドル(丸山さん)の話をベースにする
・丸山さんから見た関ジャニ∞メンバー(渋谷さん・錦戸さん含む)についての短歌を入れる=7首
・その他丸山さん視点の短歌も含めてよいことにする

あまりいろいろ書いてしまうのも読みを狭めてしまうかな……? と思うので、これくらいにしておきますが、大まかにこんなことを考えながら作っていました。これを踏まえて読んでみると、これはそうかな、と思える、かもしれない。
1首目と25首目は先にすっと作れていて、残りも比較的さらさら作れたように思います。これまで好きだったこと、今も好きなこと、をぎゅっと詰め込めたのでよかった。わたしにとっても本当に大切な25首になりました。




以上、ネットプリント「あなた」についての簡単な振り返りでした。
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