scrap

短歌と感想ほかまとめ

log:202310 短歌

1019
癖短歌(今の好きな人に昔の好きな人の面影を見つけてしまう罪悪感/似ている所をわざと見つけに行ったりして、昔の人が好きなままでいまこの人を好きでいていいのか代わりにしているのか みたいな)

笑うときちょっとくしゃってなる顔が好きです ずっと、ずっと前から
結局は嫌いになんてなれなくてそういうところほんとそっくり
ごめんなさいほんとにぜんぶ悪いのはわたしでだからあなたじゃないの



癖短歌(恋人ではないふたりはなにかのきっかけがあればきっと恋人になっていたのに、そのきっかけがないまま時は流れてしまいどちらかが誰かのものになってしまった)

式はもう済んじゃっててさ、身内だけ 案外演技うまくない? おれ
現実はもっと無様でコンビニのバウムクーヘン買って帰った
すみませんそれ僕のです 落っこちたペンにはこんなすぐ言えんのに
勉強もあそびも全部一緒って言ってたくせにキスくらいしろ



癖短歌(度入りメガネをかけた人の輪郭の歪み)

睨んでるっぽいのはごめん、ちゃんと顔覚えたくって、他意はない(ない)
珍しい? 眼鏡は見たことなかったか、そうです、これはガチのやつです
ぶれちゃった頬のラインも実のとこ好きです、なんてまさか言えない



1020
癖短歌(叶えられっこないと本人たちも分かっているし思っているのに「幸せになろうね」とかもっと言うと「結婚しようね」とか当人らの望む形の幸せになろうとするそのためにできもしない「駆け落ちしよう」とか言う、叶わない将来を描いて話をして現実から逃避行する2人)

仕事柄どうせ指環はできないしよかったかもね 手だけ繋いだ
花嫁のベールにしては皺くちゃで、でもおひさまの匂いはしてる
海と山だったらどっちがそれっぽい? 今夜はきみの言う方にする



1021
振りかけた嘘が今夜の隠し味 じゃないね、ごめん、ふつうに塩だ
終電をわざと逃したことにした僕にはどうか気付かないでね
水っぽいサワーを延々持て余すふりだけ上手くなってくふたり
さっきのが終電だって知ってたの、なんて言わない僕も同罪
赤い実がパフェのグラスに沈んでる どんな味だか食べてみせてよ



1023
月曜サービスデー

テキストを買って日あたり数ページ解いてるかぎり生きててもいい
息を吸い吐き出すだけでかさばって物理的にも凹みたかった
いい加減おしまいになる映画ならかろうじてまだお席あります
ざんがくのおしはらいって断末魔ずーっとお前恥かいてんね
道端でうずくまったら産廃になっちゃうでしょう 知ってるんだよ



1023
浮気すんなよってきみは言うけど最初から契約結んでなければ全部浮気でも本気でもないよね(よくもわるくも)

きみばっか見てるつもりでいるんなら御生憎さま まだ好きじゃない


1024
癖短歌(時間が来たら帰らなければならないひとと時間を持て余しているひとの、わずか数時間の逃避行ごっこ なおこの逃避行ごっこは一度きりではなく、複数回にわたって繰り返されている おそらくこの先も、同じようなかたちで続いていく)

たとえばさ、おかけになった番号はどこにも繋がりません、なんてね
逃避行ごっこしましょう より早く夢から覚めた方が負けだよ
駆け落ちは★★★☆☆ きみの講評をピロートークの代わりにしてる



1029
癖短歌(家族でも友達でも恋人でもない二人の一方はこの関係を終わらせた方がいいと思っていて、もう一人は無邪気に一生一緒にいようねと思っている共依存関係)

おしまいにきっとできない君のこと嫌いになって忘れたかった
おしまいにさせてあげない僕のこと嫌いになって忘れないでね



1030
歴代推しイメージ
虎徹さん(タイバニ)三毛縞さん(あんスタ)深澤さん

泣いていたことに気づいてしまっても馬鹿なふりしてくれちゃう人だ
いつだって上手に大人のふりをする道化師を抱き眠りたかった
好きだって言ったところであなたなら聞こえなかったふりするだろう