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短歌と感想ほかまとめ

雑記:映画 おそ松さん

  • おそ松さんという世界の中の これは実写映画の世界線、ていう、ある種パロディなので 結果すっと観られたかな〜とか(こういう世界、こういうパターン、みたいな)元の作品が幅広くいろんな世界観を受け止めてくれるからできることだな〜と思っている
  • 映画おそ松さんの笑いってかなりメタ的だな〜と思って そもそもこの映画自体が「おそ松さん」という作品を元にしたパロディというか、実写映画という世界線、てかんじなんだろうなあとか
    最初と最後にある実写化やりにくいみたいな会話も 最初の アニメのおそ松さんたちが実写のおそ松さんたちを紹介するのとかもめちゃくちゃメタというか 普通に考えたらぜんぜんわかんない状況だもんな…
    けどすべてパロディと言えば成立はする いろいろな世界線があっていいからこそ成り立つよなあと思う
    あとそれぞれ分岐していく物語も全部なにかのパロディであって たとえば恋愛パートのところとか、恋愛映画あるあるみたいなものが散りばめられてるし
    カラ松とピリオドの世界線も、ああいう映画にお決まりの流れ(と、それを乱すカラ松の言動)が再現される→うまくいかない、で笑ってしまう この笑いもメタだよなって
    ていうことを考えたときに これ元ネタがわかるとより楽しいんだろうなと思って
    あと反対に、元ネタだったり、日本のこういう映画とかドラマとか、お決まりのネタ、流れ、みたいな 文化圏といったら大袈裟かもだけど そういうのがわからないと???ってなるよな〜と思ってた
    それと 演者がわかるとより楽しいというか おそ松さんたちを演じているSnow Manがそれぞれどういう人なのか、がわたしとかまあファン層はある程度知っているわけで
    そうなると自分が知っている彼らを重ねたり、逆にイメージにないなと感じたりして それもまた楽しいってなるところがあるけど これもメタなかんじ
  • 6つ子全員が、意識するしないに関わらず自分のいる世界に浸っていつまでもその物語を続けようとする、ていうの 冷静に考えるとおそろしい話だよなと思う まあ基本ギャグだからそこまで考えなくていいんだろうけど
    終わらない物語 覚めない夢 あと話の通じない怖さみたいなの おかしなことは言っていないはずなのにこちらが狂っているように錯覚する
    物語を続けようとするのが意識的か無意識的かっていうの みんなそれぞれ続けようとはしてるんだけど、露骨に意識して続けてくのがおそ松なのかなと思って
    チョロ松一松トド松は終わらせ師の思う通りに進むときもあるけど、おそ松にはそれがない し、おそ松からもかなり介入してくる
    (カラ松も無理くり続けさせてはいるけどなんかおそ松のそれとは性質が違う気がする)
    十四松も特殊というか 物語の方向性を大きく変えるときには大抵十四松が影響しているけど彼自身何かしようとしているわけではない と考えるとちょっと6つ子の中では違うのかな
  • あとシンプルに、終わらせ師にぜんぶ持ってかれたしほんとに天才かと思った 渡辺翔太はずるい だてさんも強い あべちゃんも普通にぶっ飛んでる しょっぴーの「終わらせ師ィ!」「ハイ!!!」のとこ好きすぎて思い出すだけで新鮮に笑える
  • 以下全部ふかざわさんの話
    ふかざわさんのどっかいってる目つき、ぶっ飛んでる人間としての振る舞い、をこんなにたくさん見られることあるか…?と思ってめっちゃ滾ってた 何にでも染まれる人だと思ってるので極端な役をやってくれるとうれしくなってしまう 
    役柄というかむしろ彼が入っていったあの世界線?ストーリー?における彼の立ち位置とか言動が好きだったのかもしれない なかなか見ない(けど見たい)ところを見られたな〜と デスゲームとギャンブル…
    いい具合にみんなぶっ壊れててよかった わりととんでもない役柄をやってほしいと思いがちなので…(ブチっと切れた状態の演技をまさかこういうかんじで見るとは予想してなかったけど)
    普段まあやらないだろうなあと思ってるギャンブルとかそういう癖のあるものをまさかこの人たちが、ていう驚きと喜び
    あそこのストーリーが個人的に一番好きだった あべちゃんもらうちゃんもめっちゃよかった 彼らの普段のかんじをイメージしていると相当大きく裏切られて、ああでもこの人たちのこういうところ見たいよな〜ってなる感覚
    あと単純に割と話が進んでる感があるというか 他がほんとに大変なことになってるのに対して結構きちんと筋が通ってて(?)でもやっぱり訳わかんなくもあって チビ太もいい具合にあの世界に入り込んで影響を及ぼしてて
    一松がダイナマイトに火をつけるところが好きで あと爆発してからみんな痛がって動きが鈍いのに一松は楽しそうに笑って地面を転がってるの あれぶっ飛んでてよかった ときめいた ときめきと言っていいのかわかんないけど

log:202205 短歌

0504 コミュニティ5月題詠:嘘
痛いとこなんかないって微笑んであなたはやさしい嘘ばかりつく
正しさで出来てるきみに抱かれたいこれも嘘っていうことにして
ほんとうはいたかったって聞いてみる そうかもねって嘘つきは言う


0505
好きなひと呼ぶと案外生きられるおまじないって片目をつむる
人をだめにするクッションがくたびれたときはなるべくやさしく撫でる
はぐれないようにあなたと手をつなぐ右と左と順番に行く

植物とおんなじようにふれてみる ぜんぜん平気みたいで困る
ふたりならだめにもなれる深夜二時 塩ラーメンにたまごを落とす
本当のことばかり言うやつといて信じかけてる自分がこわい


0506
あたりまえに生きてくらしい人たちの爪は正しい色をしている
みんなって呼ばれる中にいつもいた人の傷んだことのない髪

まっとうなふりばかりする頭から毛布をかぶって消えたいくせに


0508
桜には毒がないから頭まで埋もれたって死にはしないよ


0509
手のひらを合わせて瞳を伏せずとも祈りになるときみに教わる

コミュニティ5月題詠:風
一晩でしぼんでしまう風船としたって愛されたくて生まれた
風邪薬飲めば治るよ熱っぽい瞳もやけに熱かった手も
傷ついた風に見せてるだけだって笑ってみせるあなたが憎い


0514
浴びてきた音と西陽がこぼれてく何てことない言葉になって


0523
きみ曰く噛みついたっていう事象ぼくなら違う名前をつける
喉元にふれてもきみは怒らない煮詰めたジャムのにおいがしてる
きみのこと見ようとすると映り込む自分が邪魔でまぶたを伏せる

log:202205 アイドル短歌

20220505
Snow Man 深澤辰哉
お誕生日おめでとうございます!

こんなに、とたとえあなたが笑っても百で足らない言祝ぎがある
ここは此岸 醒めない夢のただなかできみは静かに手招きをする
青白い星がいちばん熱いのは本当、あの日に見てた照明
街頭の広告にいるぼくたちを覚えてたくてさわった真冬
花びらにまみれてずっと笑ってたこの瞬間にいてほしかった
指先で形づくった風物のいつかは褪せることを愛した
瞬きと共にこぼれていったのは光であって涙ではない
すぐ届くものなら欲しくならないよアクリル越しに見透かす瞳
守らせてほしかったんだ花束を両手で受けるときのやわさで
きみの指す場所には夜明け 夢じゃない、脈打つ胸は痛いくらいに
深く息、座標を忘れず確かめて掴むアームのやわらかい揺れ

はじまりの1首
20190727-0806, 0823-0828:Summer Paradise 2019
20190808:ジャニーズJr. 8.8祭り
20200122:デビュー
20201022-1025:Snow Man ASIA TOUR 2D.2D.
20201204:滝沢歌舞伎ZERO 2020 The Movie
20210408-0627/20210509:滝沢歌舞伎ZERO 2021
20211008-1226:Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania
20120503:結成日
20211231:第72回NHK紅白歌合戦
折句:「ふか」く息、「ざ」ひょうを「わ」すれず「た」しかめて「つ」かむアームの「や」わらかい揺れ



20220510
バイバイの声があんまり軽くって抱きしめるには腕にあまった


20220512
Snow Man 深澤辰哉
キラーポーカー

どっちみち腐る手札は投げ捨ててせいぜい愉快な地獄へ向かう
死ぬわけじゃないから平気ルーレット一番おいしいとこで止めてよ
喜びもかなしみさえも微笑んでみせておしまい、触らないでね



20220516
Snow Man 深澤辰哉
滝沢歌舞伎ZERO 2022
ひらりと桜/Into the sky/全体を通して(お名前の折句)/WITH LOVE/Feel the light, Lovely

舌先についた紙片をほんとうの桜の花と信じて飲んだ
突き刺した刀が鈍く染まるのに見惚れてしまう もう戻らない
不可能とざわめく声があったって 立つべき場所は、やまない雨は
‪誰ひとり泣かなくていい失くしたと思ったものを両手に抱いて‬
何にでもなってみせるよ紫は異なる色を溶かしてつくる



20220517
Snow Man 岩本照
お誕生日おめでとうございます!

朝焼けの知らない街で吸い込んだ空気もあなたの血肉となって
蛍光の黄色で強く線を引くぜったい忘れたくない証
後ろ手に花を隠して歩み寄るときのリズムに間違いはない


きみはいいこ 怒りきれずにねーえって語尾をくしゃくしゃほどいてしまう
手のひらに収まるいのち自分とは異なるものを愛おしむこと
こわくないって教える代わりあどけなくおどけてみせる まじめに生きる


20220528
アイドル短歌題詠:「ホテル」または「動機」

家にまで行くほどじゃない人間の寝相の悪さはよく知っていた
落っこちるときは一緒だ くたびれた体をシングルベッドに詰める
ただいまと一応は言う○号室ずっと知らないにおいがしてる

とっておき教えたげよう手のなかで輝いていたスイートの鍵


20220530
アイドル短歌題詠:「約束」または「巡る」

絡まった誰かの指があちこちに落ちてる中を突っ切っていく
約束が叶ったときと叶わないときで一生覚えてるのは、
はじめから期待しないでいることが得意になって現世へ戻る

短歌/アイドル短歌をつくる

短歌/アイドル短歌を作るにあたり、何となくの感覚でやっていることが多すぎるので、どうやって作っているのか? ということを可視化してみようかと4月頃に思い立ってログを残していました。
そのログを見返して、順番を整えたり、補足をしてみたりしたまとめです。メイキングになっていたらいいなとは思いますが、いかんせん曖昧な箇所が多いのでご了承ください。




1. 対象

今回ログをとりながら作っていたのは下記のアイドル短歌です。

ここにいるぼくじゃなければ春草のにおいを嗅ぎもしなかったろう
深くまで手を差し入れて心臓の(または痛みの)位置を覚える
目のふちに触れるとわずかに濡れている かなしいことはないよ、なんにも
 ……… Snow Man 深澤辰哉(BARFOUT! vol.319 2022/3/18発売)

「BARFOUT!」に掲載された写真・記事がとても好きだったので、アイドル短歌のかたちにすることにしました。
ただ好きすぎて直後はまったく言葉にできず、どうにかメモをとり始めたのが2022/4/2でした。頭の中で延々考えている時間がたっぷり2週間はある。


2. 短歌/アイドル短歌を作る流れ

まず、大まかな流れはこんなかんじ。

 1. 書きたいものを決め、イメージを膨らませる
 2. 途中で出てきた言葉、使いたい単語、などをとっかかりに言葉を並べる
 3. 短歌のリズムになるように整える

このうち、1の工程は基本的に全部頭の中でやっています。メモもほぼとらない。
ただ、この工程にかなり時間をかけるので、まずここを見える状態にしないと、2の作業がよくわからない(いきなり言葉、単語が出てきたようになってしまう)。
そのため、普段とは違う方法にはなりますが、考えている内容をおおよそそのままメモ帳に打ち出していくことにしました。
また、2と3の工程は、録画もしくはチャットなど、書いては消しという動きのログが残るツールを使ってみることに。
このことで、「どう考えたか」という部分が(全部は見えないにしても)あとからある程度は追っていけるようになるかな?という想定です。


3. 実際の工程

ここからは、先述の大まかな流れに沿ってやってみたことのログです。
言語化してみようと思いはしたものの、やっぱり感覚に頼っているところが多かったのと、作ってから時間が経ってしまったのもあって、曖昧な箇所が多いですが……
あと致命的なのが、題材をアイドル短歌にしたことで、題材にとったもの(人、内容)を知っている/知らないでも、おそらくはイメージしやすさに差が出るだろうこと。やる前に気付けという話ではある。
※今見返してわかる部分には補足を入れていきます

3-1. 書きたいものを決め、イメージを膨らませる(1回目、2022/4/2実施)

上記のとおり、普段はすべて脳内で行っていて、たまにiPhoneメモ帳に単語やフレーズなどを残しておくくらい。
今回は「何を考えていたか」が少しでもわかりやすいように、考えていたこと・思い浮かべていたことを基本的にはそのまま書いています。
メモ帳に書き付ける時点で思考から落ちていったものはあると思いますが、もうそのあたりはどうにも追えない……

・・・・・

バァフアウト 深澤さん
白い花の写真 白い花が手前にあって、その花越しに見ている写真
花の向こうにいるひと
手を伸ばしても花に阻まれそう、そのひとには触れられなさそう
花は生の象徴 ちょっと生っぽい 草のにおい
触るとちょっとざらざらするような 毛羽立つ
花の向こうにいるひとの生きているのにそのてざわりが薄いこと
白いシャツ たよりない生地 素肌に着ていてちょっと肌の色が透けるような 体温の感覚
ふれることは出来なくて掴めるのは別のもの
そのひとはそのひとでそこにいるのに実際のところ手で触れられはしない 確かめられはしない
目線の話 目の色は黒 光の入りにくいかんじ
まっすぐ前を向いているのに目に光がさしてない
暗い目ではないけどちょっと底知れなさがある
感情の読み取りにくさ
すとんと表情をなくしてしまうとその人の中身が掴みにくくなる
親しみやすいかんじ、気やすさ、さらさら喋っていく 社交性 人当たりのいい雰囲気
それとは反対にちょっと怖いくらいの、何を考えているかわからないかんじ
(補足)
このあたりは全般的に、どこを切り取るか?特に何を書きたいか?を考えていた
具体的な写真を思い浮かべつつ、その写真に惹かれる理由を言葉にしているかんじ
手触りの話、目線の話、はずっと好きなので、ここでも書いてある
後半6行くらいは深澤さんご本人の好きなところだな…と今読み返すと思う


草花 花をつんだ野っ原 今はない場所
駐車場になってる
白い花=マーガレット
白のマーガレットの花言葉
心に秘めた愛、恋占い、信頼
信頼 がグラビアでとりたかった意味として強そう?
わたしを忘れないで
グラビア 光のイメージ 白く明るい場所だけでもない
暗さがあるからぱっと入る光の印象が強くなる
わたしを忘れないで、の 忘れないで 忘れないこと 覚えていること
(補足)
マーガレットと一緒に写っている姿が特に好きだったので、そこから広げようとしている
花から花言葉に繋げるのは単純かなあと思いつつ、でも意味はあるだろうし…と思って調べて書いた覚えがある
この中で「わたしを忘れないで」が特に印象に残ったのでそこから広げようとしたのが最終行
忘れること、覚えていること、は元々から好きな題材


週刊朝日も白い薔薇を持っていたけど あと白いシャツも着てた 白いのはGinaもそう
なんかそういう雰囲気につなげたくなる人なのか
何にでも染まってくれる人 なのかもしれない
舞台であるとかドラマであるとか グラビアでもいい
何を着ても何をしていてもどうしようもなく いい悪いでもなく そのひとだ、と思うタイプの人と
その都度まっさらになってしまって、くるくる印象を変える人と 大まかに分かれているとして
明らかに後者の人だと思う 染まってくれる
でもそれはひとつの特性であって 主体性がないとかそういうのとは別
何かを演じるとき、表現するとき、に、自分を引っ込めるというか 自分ではないものを被ってしまう
(補足)
花について考えるうちに、同時期に出ていた別雑誌のこともイメージ(週刊朝日、Gina)
白いシャツをまとった雰囲気がいいなあと思っていたので、そこから深澤さんに感じる魅力をもう少し具体的に書いている箇所


3-2. 書きたいものを決め、イメージを膨らませる(2回目、2022/4/4実施)

ここまでメモしてみたものの、まだ短歌のかたちにはできないな……と思っていたので、一度打ち切りました。
もう少し考えてみようとして書き始めたのが2日後でした。このあたりのタイミングに深い意味はなくて、おそらくまとまった時間がとれたのがその日だったんだと思います。

・・・・・

Gina表紙で3首(3首めに深の字)、週刊朝日表紙で3首(1首めに深の字)、だから3首セットで真ん中に深の字、で作れるとバランスがいいかも
Gina 伏せられた瞳は深い色をしてさざなみさえも隠してしまう
週刊朝日 やさしさにかたちがあれば深々と降らすあなたを眺めて過ごす
白い花のと 表紙のと あとすきなやつ インタビューページの上の写真好き インタビューの内容と絡められたら絡める
(補足)
この時期、表紙掲載雑誌が複数あったので、それぞれを題材にアイドル短歌を作ろうと考えていた
「Gina」「週刊朝日」から3首ずつ作っていて、どちらも深澤さんのお名前から「深」の1字を入れていた。並びについての案もこの時点で簡単にメモ
最終行は改めて、「BARFOUT!」の中の写真だと特にどれを書きたいか、ということを書いている


頼りないカッターシャツの手ざわり
深い 色 一番色が深いのは表紙かなあ 表紙だけちょっと特殊な気がする
深み 深淵 深海
頼りないカッターシャツの肌ざわり
白のマーガレット 秘めた愛 深く沈めた愛
本当のところは深くにあって見えない
表紙 手指 鏡にうつる
マーガレットの向こう いたこと、見ていたこと

1 頼りないカッターシャツの肌ざわり
2 深く沈めた マーガレット
3 インタビューページの写真
インタビューでも自分のつらいとかしんどいとかそういうのあんまり出したくないって話があった

1 頼りないカッターシャツの肌ざわり
2 マーガレットは深く沈めた
3 インタビューページの写真
(補足)
まだふわっとしているところもあるけれど、ひとまず言葉にしてみるか…と思って書き始めた箇所
「頼りない~」がこの時点ではいいかなと思ったので、それをベースに3首まとめるなら、という案を2つ


手の中にみどりのにおい
メンカラがあるからあんまり色の話はよしたほうがいいのか あとGinaでも色って使ってる

マーガレットの開花期は11〜5月
誕生日は5月
おしまいの〜とかって好きだからやりがち
春草の 多年草だからあれだけどまあ
春草のにおいをくぐる
(補足)
3首セットの案は出したものの、中身があまりにも浮かんでいないので、別案を出してみる
メンカラの話とか、「おしまいの~」をやりがち、というのは本当に思ったまま書いているので若干生々しい…


涙がこぼれてる写真と 目のふちに引っかかって落ちそうで落ちない写真 あれもよかった 感情の揺れ
感情があんまり表に出ない ふわふわとして掴めない というひとの、感情がわずかでも表に出たような

1 つかめなさ 手の話 手と顔とテーブル?に写っているのもあった ゆらぎ マーガレットの写真の右ページもいいけど短歌につなげられるのか、
2 頼りないカッターシャツの肌ざわり
マーガレットは深く沈めた
3 感情の揺れ 落ちそうで落ちない涙
自分でも泣いていることに気付いていないような
(補足)
イメージが膨らまないので完全に違う方向へ行こうとして、3首セットの中身もほぼ総とっかえしたバージョン


3-3. 書きたいものを決め、イメージを膨らませる(まとめ)

このあたりでようやっと、題材の選択・構成が最終形に近い状態になってきました。
参考まで、最終形と紐づけてみるとこうなります。

(構成案:最終)
 2 頼りないカッターシャツの肌ざわり
   マーガレットは深く沈めた
   ↓
(最終形)
 1 ここにいるぼくじゃなければ春草のにおいを嗅ぎもしなかったろう

(構成案:最終)
 1 つかめなさ 手の話 手と顔とテーブル?に写っているのもあった ゆらぎ
   ↓
(最終形)
 2 深くまで手を差し入れて心臓の(または痛みの)位置を覚える

(構成案:最終)
 3 感情の揺れ 落ちそうで落ちない涙
   自分でも泣いていることに気付いていないような
   ↓
(最終形)
 3 目のふちに触れるとわずかに濡れている かなしいことはないよ、なんにも

3-4. 短歌の形を作る(テキストライブ、2022/4/17実施)

書きたい題材がある程度決まったので、実際に短歌の形にしていく工程。
はじめにあげた流れのうち、
 1. 書きたいものを決め、イメージを膨らませる
 2. 途中で出てきた言葉、使いたい単語、などをとっかかりに言葉を並べる
 3. 短歌のリズムになるように整える

2と3に該当する部分です。今回は、テキストライブで記録をとっていました。

・・・・・

録画時間は40分程度。
合間で完全に止まっていたり、意味のない動きをしていたりするので、実際に作っていた時間はもう少し短いとは思います。
20分過ぎくらいから具体的に言葉を出したり入れ替えたりしているので、そのあたりから見るとわかりやすいかも。ここまでくると最終形に大分近い。

アーカイブは下記リンクから見られます。


アーカイブを見返して、流れも追ってみました。なんとなく、ここが変化があった部分かな?という場面を切り取っています。

1)思いついた言葉を並べるところからスタート
  最初から「かなしいことはないよ」がいる。このフレーズは最後まで残っていた


2)「春草のにおい」が出てきた
  結局残さなかったけど、「~涙ではない」は結構気に入っていた
  言葉が出てこないときはとりあえず「・・・」を置いておく、は普段からよくやる


3)「ここにいる~」の原形が出てくる


4)「目のふち~」の原形が出てくる


5)特に残したらいいかも、と思ったものを上部に持ってきた
  この時点で何となく最終形っぽい雰囲気がみえる


6)ずっと残されていた「かなしいことはないよ」が組み込まれて、ほぼ最終形に近くなる


7)マーガレットについてもどうにか短歌にしようとしている感
  画面下部に置いていたフレーズを元に組み立て始めた


8)元々あった「ぼくじゃない~」と「春草」が合体


9)ほぼ最終形
  3首セットにするうち1首に「深」の字を入れる想定だったので、何か作ろうとしている


10)ひとまずここで録画を切ることにして、完成は2首


3首作れたらいいなと思ってはいたのですが、集中力が切れたのと、何もここで全部仕上げなくてもいいな…と思ったので、最終形の1と3になる短歌をあらかた作ったところで録画を切りました。
その時点で出来上がっていた2首はこちら。

 ぼくじゃない誰かだったら春草のにおいを嗅ぎもしなかったろう
 目のふちをなぞった指が濡れている かなしいことはないよ、なんにも

3-5. 短歌の形を作る(テキストライブ外、2022/4/17実施)

録画を切った後、3首セットの構成と作った2首を見返して、残り1首を作っていきます。
構成案:最終にあった「つかめなさ 手の話 ゆらぎ」といったイメージをどう書くか?
このあたりでもう一度雑誌を開いて、どの写真を特に題材にするか練り直した記憶。
また、ある程度形にしていた2首についても、全体のバランスや、口に出したときの感触から、さらに手を入れて整えました。

(元)   ぼくじゃない誰かだったら春草のにおいを嗅ぎもしなかったろう
(最終形) ここにいるぼくじゃなければ春草のにおいを嗅ぎもしなかったろう
 → 「ここにいる」ことに重きを置いた方がいいかなと思って変更
 → マーガレットの写真から。この写真については初期の頃からずっとメモしていた


(元)   目のふちをなぞった指が濡れている かなしいことはないよ、なんにも
(最終形) 目のふちに触れるとわずかに濡れている かなしいことはないよ、なんにも
 → 最終形2首目に「手」を使うので、「指」があると重複するな…と思って変更
 → 涙が目のふちに引っかかって落ちそうで落ちない写真から。感情の揺らぎについて


(最終形) 深くまで手を差し入れて心臓の(または痛みの)位置を覚える
 → 先述のとおり「深」という字を入れる短歌にしたかった
   痛みというモチーフも深澤さんを題材にとった短歌で結構作る
 → 仰向けで横たわっている写真から。さらけ出しているようで、どこか底が見えない印象


3-6. 構成を決める(テキストライブ外、2022/4/17実施)

3首作り終えたところで、並びを整えます。
4/4時点で「Gina表紙で3首(3首めに深の字)、週刊朝日表紙で3首(1首めに深の字)、だから 3首セットで真ん中に深の字、で作れるとバランスがいいかも」とメモしていた通り、真ん中に「深くまで~」を持ってくることは決定。
残り2首をどうするか、と考えたときに、よりあっさりとした「ここにいる~」を1首目、どちらかと言えばインパクトがありそうな「目のふちに~」を3首目に置きました。
これは完全に感覚と好みの話になりますが、最初より最後の方が印象に残るかな…と思ったのと、「かなしいことはないよ」は深澤さんが言うようなイメージだったので、最後に置いた方が全体の流れを切らないというか、ふっと囁かれて終わる感じがしていいかな、と考えていました。


4. まとめ

最終的に仕上がったのがこの3首。並びもこれで確定です。

 ここにいるぼくじゃなければ春草のにおいを嗅ぎもしなかったろう
 深くまで手を差し入れて心臓の(または痛みの)位置を覚える
 目のふちに触れるとわずかに濡れている かなしいことはないよ、なんにも

あとは「文庫ページメーカー」でかんたんに形を作っておしまいです。
画像はもう少し凝ってもいいのかなと思いつつ、そこまで根気がないのでいつもシンプルにしています。
画像やデザインによって印象づけられるのはいいな〜とも思うんですが。今のところは自分のイメージに近い色を持ってくる、で統一しています。




ひと通り流れを書いてみたものの、これで果たして伝わるのかは謎……。
自分としては、ある程度はじめからイメージがぶれずに短歌の形にまで残っているんだな、と実感できたのでよかったです。今回だったらマーガレットとか、ずっとどうにかして入れようとしている痕跡がある。
逆に、詰まったところでそれまでのを捨てるのも大事なんだな…と、当たり前ではありますがよくわかりました。4/4の箇所で3首の構成をほぼ変えてるので…
あと、短歌をどう並べるか?という、これは連作を作るときの話になりますが、そのあたりも結構作り始めの頃から意識しているんだなあとか。
総括して、至らないところも多いとは思いますが、やってみてよかった。言語化するのって難しいけど楽しい。また何かしらこういうこと出来たらいいなと思います。


なにかあればお題箱まで。
もう少し噛み砕いた方がいい箇所、ここが気になる、など教えてもらえるとうれしいです。他の短歌についてでもなんでも。

2022年 個人発行物ログ

2022年に発行したネットプリントなどのまとめ。記録としてPDF版を公開します。
発表時期の新しいものが上部にきています。

・・・・・

20221010
ネットプリント「ふたりぼっちの王国」

2022年9〜10月に作っていた「ふたり」についての短歌をまとめ、新しく作ったものも加えて、計30首収録しています。
「ふたり」は元々、参加したTwitter上の企画(短歌ワンドロ)でのお題。このとき短歌をとても楽しく作り、その後にも連想して「ふたり」の短歌を作っていくうち、ある程度の数が貯まってきたので、何かにまとめたいなあというところからスタートしています。
Twitter上で出すこともちらっと考えましたが、数が結構あったことと、年に数回は短歌を紙のかたちで発表したいなあとも思っていたので、ネプリとしてまとめることにしました。

タイトルについて。2月に「alone together」というネプリを出していたので、それとも少しつながるものにしたらいいかも?と考えていました。alone togetherも意味はふたりきりだしなあという。
英語縛りでいくか、ぜんぜん違うものにするか、など考えていたのですが、結果、いくつか作った中でも「ふたり」短歌の象徴になったように感じたひとつの短歌からとって、「ふたりぼっちの王国」としました。自分でもしっくりきたのでよかった。

レイアウトは上下2段組でジグザグに。上段だけ、下段だけ、上段下段ジグザグ……とどう読んでも繋がるようにはした、つもり。これも例によって読み取りかたは個々人にお任せなので、ご自由に読んでもらえればと思います。
改めて見ると、自分の好みが分かりやすいというか、こういうふたりが好きなんだな……というかんじなんですが(若干気恥ずかしい)、それはそれとして、ひとつのまとまりが出てよかったなあと思っています。何より作っていて楽しかった。
表紙の画像はフィルム写真。王国っぽいかなと思って持ってきましたが、なんてことはない東京駅です。夕方〜夜くらいの空の色味が気に入っていました。

(あ、うつる)シャッター音のしないのがふしぎなくらい遅いまばたき
ええかっこしいはこういうとき困る 吐けない喉に指を突っ込む
にぎやかなテレビの前で泣いているおまえを抱いても混ざり合えない







20220218
ネットプリント「alone together」

2022年1〜2月に作ってTwitterに載せた6首に、もう6首足すかたちで作成したもの。
1首目から順に、既発表→未発表→既発表…という並びでした。全体として流れがおかしくないように作るのが難しくて、途中でうーーん…となっていた。
ネットプリントというか、紙の何かを作りたいきもちがわいてきて、ほぼ勢いでやったものなんですが楽しかった。紙のかたちにすること自体が好きなんだと思う。

「alone together」は「がまくんとかえるくん」から。
こういう人たちが好きなんだよなあ、と思いつつ作ったので、なんとなくどこかの2人の話のようでもある。
でも、あるひとりの人の話としても読めるはずなので、そのあたりは読み手のかたにお任せでいいかなと思ってます。

2021年発行のネットプリントが小冊子/折本形式だったので、もっと手軽かつ安く…と思い、一枚ものにしてみました。いつも通りかんたんな作りではあるんですが、すっきりまとまったので個人的には気に入っています。
また、掲載した写真は写ルンですもしくはKodakで撮ったものです。どれもお気に入り。季節は冬に限らなかった気がしますが、内容にもしっくり馴染んだかなあと思っています。

接続を探しています 輪の中にいつまでたっても入れないゆめ
身勝手な祈りだとして痛むのはこの先ずっとぼくだけでいい
大切の意味を覚える きみんちはどの部屋だって日あたりがいい







2021年個人発行物ログはこちらから↓

雑記:日食なつこ 蒐集行脚(LINE CUBE SHIBUYA)

  • ずっと いやだ、この光景を、この音を、できる限り忘れたくない、薄れてほしくない、って思い続けてた ひとつひとつがよすぎて好きすぎて
  • ミメーシスはこれまでより特に曲のうしろにある物語の気配が濃い と思っていたけど それを本当に強く感じたというか ずっしりとしたお話、分厚い本を一冊読みきったような気持ち… 曲も演出もぜんぶ込みのいっこの世界に頭からどっぷり浸っている
  • ほんと 楽しい本って、早く続きを読みたいのに、終わりが見えてくるのが悲しくて、読み切ってしまうのが惜しくて、先を知りたいきもちとまだ読み終えたくないきもちが入り混じるんだけど ずっとそんなかんじだった
    あと すごく好きなお話って、もちろんそれそのもの、書いてある世界をたっぷり味わうこともするんだけど あとから思い返して、こういうことなのかな?ここはどういうことだろう?このお話のあと彼らはどうなるんだろう?って もっと想像を膨らませることもあって それをすごくしたくなるなと思った
    ていうところまで考えて ミメーシスというアルバムの成り立ちを思い返して 少なからずそういった感情、衝動をもって作られたものだったって その世界を一心に浴びて、聴いている側もそこに至るということ 何かを受け取ってまた作り出すこと が なんかこう…言葉にならないけど…
  • 日食さんの曲、歌がよいのも komakiさんのドラムがすてきなのももちろんなんだけど 演出がいつもよりさらに、より一層、本当にすてきだった 世界観を明確に、まっすぐ、伝えてもらえるかんじ
  • 今すごくカラッとした気分というか、いいものを見て聴いて、ここに来れてよかったな〜って心底思ったし、この先もこういう機会があったらいいな、また来られるようにしよう、と思った なんだろ、好きなんだけど、よりかからないでいられるかんじ…??
    あとなんか すごくものを作りたくなった 短歌でもお話でもなんでもいいんだけど わりと何かを作るのが好きだけど、どうしてもぐるぐる余計なことで悩むこともあって でもそういうの取っ払って、好きなことやろ、思ったように作ろう、みたいな気持ちになった

    ★以下全般

  • 1曲目、「99鬼夜行」から別の世界に連れて行かれる感がすごくて 蒐集行脚、わたしは蒐集される側だ、と実感したというか
    蒐集って語の持つ力なのかな、夜の公演、人の多い渋谷という街、百鬼夜行のイメージがしっくりくる
  • 「クロソイド曲線」、言葉にしにくいんだけどどことなく不気味なかんじ、どん詰まりにいるかんじ、が1曲目から続いてゾワゾワする 格好よさを続けざまに出されて気づいたら手をぎゅーっと握ってた
    帰ってきてから改めて歌詞見てたけど「もう二度と手には入らない光」なんだな…と思って そこからどん底に落ちてまた光がさして、ってこの先続いていくのすごいな…めちゃくちゃ主観的な解釈だけど
    あと「穴だらけの羽」ともいってて あとから「タイヨウモルフォ」が出てくるんだよな〜とか
  • 「シリアル」、始まりのとこで足組んでたのすっごい格好よかった…
    ここだけじゃないんだけど、なんかいつものツアー、ライブ以上に、曲間の話す言葉も振る舞いもたぶんミメーシスっていうものの世界を表すものとして捉えてコントロールしてるんだろうなってかんじがした
  • 「シリアル」→「サイクル」の流れがすっごいテンション上がって いやぴったりだな??!てなったし 全然別世界の話とも思えるけど、つながってるなあとわたしは思いつつ聴いていた
  • このあたりで、擬態すること、さらには、物語を再解釈すること、がなんとなく浮かぶ そもそものミメーシスの成り立ちというか もしこのお話がこうだったら、とか、このキャラクタがこうだったら、みたいな発想というのか
    加えて、前に日食さんがつながりがありそうな曲ってどんなのがある?みたいに聞いていたのを思い出す
  • あと「サイクル」でどんと落ちてからのつながりめちゃくちゃよくて、「meridian」→「最下層で」、めっちゃきれいだった…このあたりほんと、聴き惚れて、見惚れて、ってそれしかしてない
    ここ、光の演出もすごかった!!はじめ「meridian」でピンスポットが斜め上から日食さんを照らすようにあたってたのが、天窓とか高い位置から光がさしてくるみたいに見えて、そこから「最下層で」になると真上からと床からまっすぐ青い光が伸びて、洞窟とか深い穴に降ってくる雨とか光っぽく見えて…
  • 「最下層で」は、ステージ中央に なんだろう街灯みたいな、ランプみたいなのも降りてきて それにぽっとオレンジ系の光が灯るのもすごいよかった〜…
  • 「泡沫の箱庭」MVの映像もあいまってうつくしい〜…「最下層で」の、どことなく気だるいかんじ、夢うつつの気配をそのまま継いで、つながりがいい 「最下層で」からそうなんだけど、語られる人物が増えたな、という感覚 ひとりについての話じゃなくて、誰かと誰かの関係性の話というか
  • 「タイヨウモルフォ」ひさしぶりに聴いた!!と思ってそれだけでもうれしかったし、セトリに違うアルバムの曲がぽんと入ってる状態でも全然違和感ないのがすごい…
    他の曲もそうっちゃそうだけど 特にこの曲はどうしてここに入ったんだろう?っていうのを考えたくなるな〜と思った
    これも歌詞を見返してると「太陽の熱を知った」「照らされる資格があるのかい」って出てくるから なんかやっぱり最初から一貫して物語が繋がってるように思えるな〜と
  • 「雨雲と太陽」、めちゃくちゃセトリにハマってた!!しっくり馴染みすぎててびっくりしたなんか…どうしてこんなしっくりくるんだろ、と思ったんだけど、物語性が強いからなのかな?とか
    今回のセトリほんと全部繋がってるというか、ひとつの大きな物語のようなかんじがしてて、「雨雲と太陽」も曲自体すごく世界観が独立してるというか、童話っぽいかんじだったりするから なんかそのあたり調和したのかな〜って
    「雨雲と太陽」、映像もきれいだった〜雨が降りかかるガラスとか、それを透かして届く太陽の光とか あと最後「魔法が起きたよ」でカラフルな照明が灯るの、虹!ってなってすごいよかった
  • そこからの「vip?」も ほんっとにつなぎがなめらか…目の前でどんどん進行してくお話を見てるかんじがした
    ここ曲に入る前の短い語りもすごいよくて こういうふたりの話ですよ、って提示してもらうかんじ 物語に入っていきやすい それで終わりは「おはよう」でしめるの、ほんと最高だった…
  • 「必需品」のところ、舞台演出がおもしろかった 窓枠?みたいなものが降りてきてステージ上に吊られてて、その枠のひとつに映像がうつる(日付付きの写真で、そのあとのお話でほんとに必要になって買ったものの写真であるとわかる。日食さんのお誕生日をお祝いしたときのケーキが入ってたのニコニコしちゃった)
    「必需品」はミメーシスの中でいちばん素の日食さんに近い歌、という話。ここで軽くMCを挟んで、前半とはまったく違う流れになっていったので、前半後半でぜんぜんセトリの組み立て方が違ってそう…
  • 「なだれ」、雪崩れ落ちておいでよ、のところで右手を客席側に向けてくいくいってやるの、さすがに格好よすぎた……
  • 「hunch_A」も客席含めてワッと盛り上がっていてすごくよかった このあたりはもう純粋に、聴いていて楽しい!!って気持ちでいっぱい 音と振動がめちゃくちゃ気持ちいい
  • レーテンシー」も、ここに入るんだ??!ってなったけどやっぱりなじんでいる…ほんとセトリすごかった、絶妙…今までに行った日食さんのライブのどれとも違っていたかんじ、新しくって、でもしっくり来て、すごく好きだった
  • 「うつろぶね」へのつながりもすごいなめらか…というか、やっぱりこう見せたい、こう聴かせたい、こういう世界観、ていうのがはっきりあるかんじ。いつもそうだとは思うけどより一層…
    ステージ下のところ、氷山みたいに見えるなあと思っていたけど、終演後よくよく見たら布が下がってて、その裾のところがびりっと破いてある?かんじだったみたい
  • 「√-1」で〆で ステージのほんとに真ん中、半分のところでばっと青と赤に染め抜かれるのとか、最後青と赤の紙吹雪がバッと落ちてくるの、めちゃくちゃにきれいだった
    「何もしていないぜ」のあたりが 音源で聴くよりもっと、なにか吐露するみたいにも聴こえて いちばん最初、ラジオで解禁になったときに聴いたときの感覚に近かったのかも ちょっと怖いくらいの圧
  • ここでパッと終わるの、いやたしかにミメーシスはこうにしかならない…ならない気がする…と思って このライブは、この場は、ほんとにミメーシスというアルバムを体現するもので、このアルバムのための世界なんだ、ということを、最後の最後にまた突きつけられたかんじ

log:202204 短歌

0402 ADAM at ライブ
日の光 地上に地獄があったって浮き立つ今も嘘じゃなくって
この春を残さず食べるカクテルに沈む桜の味を覚える
駅までをライブアレンジなぞりつつ好きのかたちを無数に増やす




0412
いつまでも泣いていようね傷んでるいちごを大きな鍋で煮詰める
ぐちゃぐちゃになってるきみと手をつなぐアイスは溶けきる前が食べごろ

ぜったいに勝てない人がそばにいるあなたを好きになりたくなかった
永遠にあの子の代わりはいないけどさみしい気持ちはきみにもらった



0413 題:頬または夏
かんたんに痩せてくきみの頬骨がそこにあるのを改めて見る
前髪や睫毛の影は濃く落ちて困ったようにあなたは笑う
ぎこちなく頬に冷たい手が触れる他のひとにもこうしましたか



0415
街灯は正しくともる 手のなかの、自分のものにはできないことば
その指を静かな声を伏せられた瞳をいつか忘れたとして
まっさらな服を体になじませてようやく春を好きになってく
吐き出した息は乱れてかみさまも生きてる人とはじめてわかる
やさしさにかたちがあれば深々と降らすあなたを眺めて過ごす
大切の意味を覚える きみんちはどの部屋だって日あたりがいい
棘のある花にさわった手のひらに傷が増えても構わなかった
頬に降る雪の重みを受けながらステージで見た光を思う

短歌(自分自身の心情や記憶を詠んだもの)
アイドル短歌(ファンとしての心情や記憶を詠んだもの)
アイドル短歌の(自分の視点でアイドルについて詠んだもの)
短歌(架空の誰かを想像して詠んだもの)
アイドル短歌(アイドル自身のつもりで詠んだもの)





0416
とげとげの言葉を浴びていつもより多めの泡で体を洗う



0417 題:焦燥感
こんなにも日向があふれている午後にふたりぐみってことばがこわい
振り向くと誰もいません 遠くから聞こえる声は高く弾んで
夢だって思ったところで醒めなくてえんえん自分を繰り返してく

題:担降り
さよならは口にしたっけいちばんに名前を出さなくなったそのひと
手のひらの厚みも声も好きだった大切だったうそじゃなかった
いつまでもしあわせでいてぐらついてそれでも舞台を降りないでいて



0419
眠り姫、怖い夢なら呼んでくれぼくがきれいに平らげたげる
おそろいのあかいほっぺでごきげんにうたってさしあげましょう、あねうえ
眠り姫、早く起きてよ冒険へ一緒に行くって約束だろう



0425 題:郵便(物)
空箱にしまった手紙は折り目からもろく崩れて膝上に降る
きみのことぜんぶ知りたくなっちゃって手書きの文字も食べてしまった
いい加減消えちゃおっかな封筒に書かれた名前を細切れにする