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短歌と感想ほかまとめ

雑記:日食なつこ 蒐集行脚(LINE CUBE SHIBUYA)

  • ずっと いやだ、この光景を、この音を、できる限り忘れたくない、薄れてほしくない、って思い続けてた ひとつひとつがよすぎて好きすぎて
  • ミメーシスはこれまでより特に曲のうしろにある物語の気配が濃い と思っていたけど それを本当に強く感じたというか ずっしりとしたお話、分厚い本を一冊読みきったような気持ち… 曲も演出もぜんぶ込みのいっこの世界に頭からどっぷり浸っている
  • ほんと 楽しい本って、早く続きを読みたいのに、終わりが見えてくるのが悲しくて、読み切ってしまうのが惜しくて、先を知りたいきもちとまだ読み終えたくないきもちが入り混じるんだけど ずっとそんなかんじだった
    あと すごく好きなお話って、もちろんそれそのもの、書いてある世界をたっぷり味わうこともするんだけど あとから思い返して、こういうことなのかな?ここはどういうことだろう?このお話のあと彼らはどうなるんだろう?って もっと想像を膨らませることもあって それをすごくしたくなるなと思った
    ていうところまで考えて ミメーシスというアルバムの成り立ちを思い返して 少なからずそういった感情、衝動をもって作られたものだったって その世界を一心に浴びて、聴いている側もそこに至るということ 何かを受け取ってまた作り出すこと が なんかこう…言葉にならないけど…
  • 日食さんの曲、歌がよいのも komakiさんのドラムがすてきなのももちろんなんだけど 演出がいつもよりさらに、より一層、本当にすてきだった 世界観を明確に、まっすぐ、伝えてもらえるかんじ
  • 今すごくカラッとした気分というか、いいものを見て聴いて、ここに来れてよかったな〜って心底思ったし、この先もこういう機会があったらいいな、また来られるようにしよう、と思った なんだろ、好きなんだけど、よりかからないでいられるかんじ…??
    あとなんか すごくものを作りたくなった 短歌でもお話でもなんでもいいんだけど わりと何かを作るのが好きだけど、どうしてもぐるぐる余計なことで悩むこともあって でもそういうの取っ払って、好きなことやろ、思ったように作ろう、みたいな気持ちになった

    ★以下全般

  • 1曲目、「99鬼夜行」から別の世界に連れて行かれる感がすごくて 蒐集行脚、わたしは蒐集される側だ、と実感したというか
    蒐集って語の持つ力なのかな、夜の公演、人の多い渋谷という街、百鬼夜行のイメージがしっくりくる
  • 「クロソイド曲線」、言葉にしにくいんだけどどことなく不気味なかんじ、どん詰まりにいるかんじ、が1曲目から続いてゾワゾワする 格好よさを続けざまに出されて気づいたら手をぎゅーっと握ってた
    帰ってきてから改めて歌詞見てたけど「もう二度と手には入らない光」なんだな…と思って そこからどん底に落ちてまた光がさして、ってこの先続いていくのすごいな…めちゃくちゃ主観的な解釈だけど
    あと「穴だらけの羽」ともいってて あとから「タイヨウモルフォ」が出てくるんだよな〜とか
  • 「シリアル」、始まりのとこで足組んでたのすっごい格好よかった…
    ここだけじゃないんだけど、なんかいつものツアー、ライブ以上に、曲間の話す言葉も振る舞いもたぶんミメーシスっていうものの世界を表すものとして捉えてコントロールしてるんだろうなってかんじがした
  • 「シリアル」→「サイクル」の流れがすっごいテンション上がって いやぴったりだな??!てなったし 全然別世界の話とも思えるけど、つながってるなあとわたしは思いつつ聴いていた
  • このあたりで、擬態すること、さらには、物語を再解釈すること、がなんとなく浮かぶ そもそものミメーシスの成り立ちというか もしこのお話がこうだったら、とか、このキャラクタがこうだったら、みたいな発想というのか
    加えて、前に日食さんがつながりがありそうな曲ってどんなのがある?みたいに聞いていたのを思い出す
  • あと「サイクル」でどんと落ちてからのつながりめちゃくちゃよくて、「meridian」→「最下層で」、めっちゃきれいだった…このあたりほんと、聴き惚れて、見惚れて、ってそれしかしてない
    ここ、光の演出もすごかった!!はじめ「meridian」でピンスポットが斜め上から日食さんを照らすようにあたってたのが、天窓とか高い位置から光がさしてくるみたいに見えて、そこから「最下層で」になると真上からと床からまっすぐ青い光が伸びて、洞窟とか深い穴に降ってくる雨とか光っぽく見えて…
  • 「最下層で」は、ステージ中央に なんだろう街灯みたいな、ランプみたいなのも降りてきて それにぽっとオレンジ系の光が灯るのもすごいよかった〜…
  • 「泡沫の箱庭」MVの映像もあいまってうつくしい〜…「最下層で」の、どことなく気だるいかんじ、夢うつつの気配をそのまま継いで、つながりがいい 「最下層で」からそうなんだけど、語られる人物が増えたな、という感覚 ひとりについての話じゃなくて、誰かと誰かの関係性の話というか
  • 「タイヨウモルフォ」ひさしぶりに聴いた!!と思ってそれだけでもうれしかったし、セトリに違うアルバムの曲がぽんと入ってる状態でも全然違和感ないのがすごい…
    他の曲もそうっちゃそうだけど 特にこの曲はどうしてここに入ったんだろう?っていうのを考えたくなるな〜と思った
    これも歌詞を見返してると「太陽の熱を知った」「照らされる資格があるのかい」って出てくるから なんかやっぱり最初から一貫して物語が繋がってるように思えるな〜と
  • 「雨雲と太陽」、めちゃくちゃセトリにハマってた!!しっくり馴染みすぎててびっくりしたなんか…どうしてこんなしっくりくるんだろ、と思ったんだけど、物語性が強いからなのかな?とか
    今回のセトリほんと全部繋がってるというか、ひとつの大きな物語のようなかんじがしてて、「雨雲と太陽」も曲自体すごく世界観が独立してるというか、童話っぽいかんじだったりするから なんかそのあたり調和したのかな〜って
    「雨雲と太陽」、映像もきれいだった〜雨が降りかかるガラスとか、それを透かして届く太陽の光とか あと最後「魔法が起きたよ」でカラフルな照明が灯るの、虹!ってなってすごいよかった
  • そこからの「vip?」も ほんっとにつなぎがなめらか…目の前でどんどん進行してくお話を見てるかんじがした
    ここ曲に入る前の短い語りもすごいよくて こういうふたりの話ですよ、って提示してもらうかんじ 物語に入っていきやすい それで終わりは「おはよう」でしめるの、ほんと最高だった…
  • 「必需品」のところ、舞台演出がおもしろかった 窓枠?みたいなものが降りてきてステージ上に吊られてて、その枠のひとつに映像がうつる(日付付きの写真で、そのあとのお話でほんとに必要になって買ったものの写真であるとわかる。日食さんのお誕生日をお祝いしたときのケーキが入ってたのニコニコしちゃった)
    「必需品」はミメーシスの中でいちばん素の日食さんに近い歌、という話。ここで軽くMCを挟んで、前半とはまったく違う流れになっていったので、前半後半でぜんぜんセトリの組み立て方が違ってそう…
  • 「なだれ」、雪崩れ落ちておいでよ、のところで右手を客席側に向けてくいくいってやるの、さすがに格好よすぎた……
  • 「hunch_A」も客席含めてワッと盛り上がっていてすごくよかった このあたりはもう純粋に、聴いていて楽しい!!って気持ちでいっぱい 音と振動がめちゃくちゃ気持ちいい
  • レーテンシー」も、ここに入るんだ??!ってなったけどやっぱりなじんでいる…ほんとセトリすごかった、絶妙…今までに行った日食さんのライブのどれとも違っていたかんじ、新しくって、でもしっくり来て、すごく好きだった
  • 「うつろぶね」へのつながりもすごいなめらか…というか、やっぱりこう見せたい、こう聴かせたい、こういう世界観、ていうのがはっきりあるかんじ。いつもそうだとは思うけどより一層…
    ステージ下のところ、氷山みたいに見えるなあと思っていたけど、終演後よくよく見たら布が下がってて、その裾のところがびりっと破いてある?かんじだったみたい
  • 「√-1」で〆で ステージのほんとに真ん中、半分のところでばっと青と赤に染め抜かれるのとか、最後青と赤の紙吹雪がバッと落ちてくるの、めちゃくちゃにきれいだった
    「何もしていないぜ」のあたりが 音源で聴くよりもっと、なにか吐露するみたいにも聴こえて いちばん最初、ラジオで解禁になったときに聴いたときの感覚に近かったのかも ちょっと怖いくらいの圧
  • ここでパッと終わるの、いやたしかにミメーシスはこうにしかならない…ならない気がする…と思って このライブは、この場は、ほんとにミメーシスというアルバムを体現するもので、このアルバムのための世界なんだ、ということを、最後の最後にまた突きつけられたかんじ