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短歌と感想ほかまとめ

log:202205 アイドル短歌

20220505
Snow Man 深澤辰哉
お誕生日おめでとうございます!

こんなに、とたとえあなたが笑っても百で足らない言祝ぎがある
ここは此岸 醒めない夢のただなかできみは静かに手招きをする
青白い星がいちばん熱いのは本当、あの日に見てた照明
街頭の広告にいるぼくたちを覚えてたくてさわった真冬
花びらにまみれてずっと笑ってたこの瞬間にいてほしかった
指先で形づくった風物のいつかは褪せることを愛した
瞬きと共にこぼれていったのは光であって涙ではない
すぐ届くものなら欲しくならないよアクリル越しに見透かす瞳
守らせてほしかったんだ花束を両手で受けるときのやわさで
きみの指す場所には夜明け 夢じゃない、脈打つ胸は痛いくらいに
深く息、座標を忘れず確かめて掴むアームのやわらかい揺れ

はじまりの1首
20190727-0806, 0823-0828:Summer Paradise 2019
20190808:ジャニーズJr. 8.8祭り
20200122:デビュー
20201022-1025:Snow Man ASIA TOUR 2D.2D.
20201204:滝沢歌舞伎ZERO 2020 The Movie
20210408-0627/20210509:滝沢歌舞伎ZERO 2021
20211008-1226:Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania
20120503:結成日
20211231:第72回NHK紅白歌合戦
折句:「ふか」く息、「ざ」ひょうを「わ」すれず「た」しかめて「つ」かむアームの「や」わらかい揺れ



20220510
バイバイの声があんまり軽くって抱きしめるには腕にあまった


20220512
Snow Man 深澤辰哉
キラーポーカー

どっちみち腐る手札は投げ捨ててせいぜい愉快な地獄へ向かう
死ぬわけじゃないから平気ルーレット一番おいしいとこで止めてよ
喜びもかなしみさえも微笑んでみせておしまい、触らないでね



20220516
Snow Man 深澤辰哉
滝沢歌舞伎ZERO 2022
ひらりと桜/Into the sky/全体を通して(お名前の折句)/WITH LOVE/Feel the light, Lovely

舌先についた紙片をほんとうの桜の花と信じて飲んだ
突き刺した刀が鈍く染まるのに見惚れてしまう もう戻らない
不可能とざわめく声があったって 立つべき場所は、やまない雨は
‪誰ひとり泣かなくていい失くしたと思ったものを両手に抱いて‬
何にでもなってみせるよ紫は異なる色を溶かしてつくる



20220517
Snow Man 岩本照
お誕生日おめでとうございます!

朝焼けの知らない街で吸い込んだ空気もあなたの血肉となって
蛍光の黄色で強く線を引くぜったい忘れたくない証
後ろ手に花を隠して歩み寄るときのリズムに間違いはない


きみはいいこ 怒りきれずにねーえって語尾をくしゃくしゃほどいてしまう
手のひらに収まるいのち自分とは異なるものを愛おしむこと
こわくないって教える代わりあどけなくおどけてみせる まじめに生きる


20220528
アイドル短歌題詠:「ホテル」または「動機」

家にまで行くほどじゃない人間の寝相の悪さはよく知っていた
落っこちるときは一緒だ くたびれた体をシングルベッドに詰める
ただいまと一応は言う○号室ずっと知らないにおいがしてる

とっておき教えたげよう手のなかで輝いていたスイートの鍵


20220530
アイドル短歌題詠:「約束」または「巡る」

絡まった誰かの指があちこちに落ちてる中を突っ切っていく
約束が叶ったときと叶わないときで一生覚えてるのは、
はじめから期待しないでいることが得意になって現世へ戻る