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短歌と感想ほかまとめ

log:202107 アイドル短歌

20210705

Snow Man 佐久間大介

お誕生日おめでとうございます!

 

咲く花のにおい、日差しに透ける色 この身ひとつですべてを生きる

いつだってぼくら特大スケールで描く未来はずっと明るい

だいじょうぶ何でもないよと軽やかにきみが笑えばほんとうになる

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20210718

Snow Man「縁 -YUÁN-」

 

運命が絡みついてた痕がある、縄でこすれて赤く滲んだ

川縁にあなたが立って手を振った夢であるなら覚めなくていい

永遠と口に出すとき頼りないその音節を愛してしまう

降りかかる光は白く清潔でぼくにはどうも正しすぎてる

指先を糸へすべらす、途切れたら、なんて無意味な仮定に過ぎず

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20210728

Snow Man「YumYumYum ~SpicyGirl~」

 

引き留めるすべを持たずにオーダーを繰り返してる愚かな夜更け

いかにもな警告色がきみの目に映り込むのも罠と知ってた

唇についたソースを舐めとった舌が痺れてばかになってく

指先をすり抜けてった体温にたやすく僕は踊らされてる

頭から丸呑みにしてひとかけも残さないようぜんぶ食べてね

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雑記:日食なつこワンマンライブ「白亜」(ヒューリックホール東京)

  • 軽やかにおまじないをかけてもらって、それから、強く強く背中を押してもらうようなライブだった 変わらずどうしようもない日々でももう大丈夫、流れ続けて行く ほんとに今日があってよかった ここに来られてよかった
  • ぐちゃぐちゃになったままのものがあって、たぶん自分で思うよりもっとたくさんのことに嫌気がさしていたし呪ってもいて、でもそういうのを全部吹き飛ばすみたいだった ピアノの音も日食さんの声も、記憶にあるよりもっと軽やかで ほんとに明るくて 夏のまぶしい光がかかるみたいで
  • やなことも許せないこともめちゃくちゃあるし この一年半くらいずっと何くそと思ってやってきたことばかりで でもだからといって何もかもだめになったわけじゃないし、むしろそうやってぐるぐる自分の中に押し込めてることで失われるものもあるよな とか ほんとにはこんなにいいものがたくさんあるのに
  • 前半がほんと ぜんぜんうまく言えないけど、びっくりするくらい軽やかで、芯はあるのだけど柔軟で 強靭といったらいいのかな 迷いとか憂いとかそういうものを解いて、そのもっと先に行っているような そんな感覚があったから 魔法とかおまじないみたいだ、と思っていた
  • ほんとに思ってたより軽やかだったのが印象に残ってる 知らず知らず力入れちゃってたみたいで、でも始まってみたら、自分でもびっくりするくらいおだやかなきもちで聴けて ほんと単純に聴けてうれしい、ライブが見られてうれしい!っていうきもちでいっぱいになって それでいいんだよなって
  • ほんとにおまじないだった 凝り固まってるものをあっさりほどいて 何てことないよって言われた、みたいな気分
  • ヒューリックホール、ほんとに印象が一面の白で、そこに映像や照明が映るのめちゃくちゃよかった 投影されていたアンモナイト?化石とか 揺らぐ水面とか のイメージがとても好きで 今ここでほどけたこととか、このライブとか、が、いつかの未来には白亜と呼ばれるのか、と思って見つめていた
  • 真夏のダイナソー、MVがバックに映ってるの、うわ〜〜〜となった MVアレンジしてたのかな?はじまりの映像もよかった あのデパートのときのバックがマルカンだったのも 曲はもちろんなんだけど、そういう演出もぜんぶほんとにひさびさで、日食さんのライブだ!!と思った
  • あと後半立ちますか!ってなったあと も〜〜楽しかった 声は出せないけど ほんと背中をばしんって叩かれたみたいで 音楽のすゝめ、めちゃくちゃよかった ほんとにこの曲が聴けてうれしかった お前に幸あれ、のところ 観客席側を指差してくれたの、うわ〜〜〜ってなった
  • 百万里もperennialも、こういう状況になる前の曲だけど、白亜のなかで、ほんとにしっくり馴染んでたな〜って思い出してた いろいろ情勢も何も目まぐるしく変わる中で、でも続く生活というものはあって、当たり前のそれは、当たり前だけど軽んじられていいものではないし、何を恥じることもない
  • どの曲もアレンジがめちゃくちゃ好きだったな〜…て思って 前半とくに曲自体の印象もあるとは思うけど、音がほんっとにきらきらして聴こえて、軽やかで 日食さんの声の響きも合わさって もっともっと好きになった 百万里とperennialは特にそう思ったかも
  • あとそういった曲とはまたぜんぜん違うけど、エピゴウネはやっぱり聴いていてはっとした 歌いかた?弾きかた?なのかな わりと不安が増す感覚があって、聴きながらずーっとぞわぞわしてた
  • ダンツァーレも、ってこう書いてくとキリないな この春から、もっと前から、繰り返し聴いていた曲 ときには苦しいくらいの感覚を与えてくれた曲 聴けてよかった、歌えないけど、手を叩けてよかった やっぱりライブが好きだ 同じ場所にいて、そこで、熱を届けてくれている、と感じられる空間が大好きだ
  • 言ったってしょうがないとはわかっているけど でもやっぱり、なくなってしまったもの、行けなくなってしまったものって、2020年の春からもうずっと今まであって そういうのがぜんぜん何も許せなくて 許せないんだけど、でも、だからといって他をすべて憎むのかって、それは違うよなあとか
  • ぐちゃぐちゃになってしまった中にも、どうしようもなくきれいなもの、見ていたいものってやっぱりあって それをわざわざ憎まなくてもいいというか、好きなものは好きでいいはず と思って で、かつそれを、諦めとかじゃなくて、ほんとに自然に認められたらいいよなって
  • 抗うのでも諦めるのでもなくて そういうものとして受け入れて共生するような どん詰まりのなかでも とかぼんやり…ほんとにあいまいだけど 諦めたり嫌ったり、より、受け入れるほうが、向き合うだけ力もいるし強いことがあるかもしれない
  • なんかやっぱり、2020年の2月末からライブってものに行けてなくて もちろんその間、配信があったのはうれしかったし、ちょこちょこ他の舞台とかも行ける範囲で行ってたけど でもやっぱりぜんぜん違うな〜… うれしかったほんとに

log:202106 短歌

0603

大丈夫、に答える声が出来るだけ震えてなければいいなとおもう

熱を持つまぶたの上に手を置いた 光を見るにも体力がいる

宝箱ひらいて見せるときみたくあなたを好きなままにありたい

 


0606 お題:お山の大将

勘違いさせる時間はより長くのたうち回るおまえが見たい

突き落とすことを無邪気に喜んだこどもが今も息をしている

得意げな顔してずっと底辺に立ってるぼくをさす後ろ指

 


0613 お題:極彩色

お御堂でうつむく人の肩先へステンドグラスの光がかかる

熱っぽい瞼の奥でひらいては散る花びらの色は極彩

感光のまぼろしめいた色合いでフィルムは知らない世界を写す

 


0619

かみさまはすべて壊せる手のひらでぼくの頭をやさしく撫でる

まだ子どもだった痛みは注射針くらいのものと信じ込んでた

目を開けていなさい愛も憎しみもわたしがぜんぶ食べてあげよう

 


0625

吹き消したろうそく、鳴らすクラッカー 終わりのにおいばかり覚えて

MCのくだりも頭に入ってて歌だけ聴くとちょっとさみしい

おしまいが来なきゃいいのにアーカイブ画面は白く途絶えてしまう

ケーキ箱落としてしまうまぼろしを見ながらどうせ壊せやしない

 

log:202106 アイドル短歌

20210603

滝沢歌舞伎ZERO 2021 御園座

 

そっかもう、きみはここにはいないんだ ふと立ち止まる朝の東京

ひとつきの間おねがい笑ってて二度と絶やさずいられるように

不可能と呼ばせはしないあざやかな青がまぶたに焼きついている

よく食べてよく寝てどうかしあわせで勝手ばっかり言ってごめんね

その場所にいつか行けたらきみの名を何回だって呼ばせてほしい

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20210612

HELLO HELLO MV

 

笑う顔見たくてずっと眺めてた埃をかぶる額縁のなか

あまいだけじゃなくっても怖くても抱きしめるから、ハロー、好きなひと

陽に透かす指の先まで熱くって触れ合うのってこういうことか

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20210612

6/9と6/10ラジオ

 

ちょっとだけ待たせちゃったねきみの持つグラスに氷はゆるみ輝く

星屑がはじける音と仮定してチョコレートを大げさに噛む

 


20210621

Snow Man 向井康二

お誕生日おめでとうございます!

 

結び目をゆるまないよう確かめるその手のひらを愛と呼ぼうか

暗夜行じれったくなる歩みでもいずれ真昼のひかりを浴びる

交差する人波のなかシャッターを切ったぼくらを忘れやしない

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20210627

Snow Man ラウール

お誕生日おめでとうございます!

 

雷鳴が止まない絶えず手を叩くあなたの熱を抱きしめている

ほがらかに笑う瑠璃にもルビーにも輝く日々をぼくらは過ごす

縷々として流れる雲を追いかけて通ったことのない道を行け

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20210627

滝沢歌舞伎ZERO 2021

4〜6月に作っていた短歌を連作としてまとめたもの

 

 

20210627 滝沢歌舞伎ZERO 2021 大千穐楽

叶わないものなんてない、手のひらを伸ばして触れるいちめんの青

途絶えずに描き切ること この肌の熱が生まれて果てるそれまで

心臓はとっくに捧げられている板上で生きつなぎ続けろ

目の前で大きく振った手指から舞う花びらよあなたを照らせ

平坦で太く確かな足場ではなくても知るか翔けてゆくだけ

深々と伏せていた背を真っ直ぐに伸ばしてぼくら光に向かう

ひとつきの間おねがい笑ってて二度と絶やさずいられるように

祈るしかできない瞼の裏側に見たことのない星座を描く

いつかまた出会ってきみを大声で呼ぶまで深く息を続ける

 

・・・・・
4月以降ぽつぽつと作っていたもの

ひとつの記憶として、祈りをこめて

 

4/23 公演継続を願いつつ

5/9 公演一部中止期間中、新橋演舞場公演生配信

5/16 新橋演舞場公演千穐楽

4/25 1首に3人ずつそれぞれの名前1字を入れ込んだ3首

 目黒蓮佐久間大介・岩本照

 阿部亮平宮舘涼太渡辺翔

 深澤辰哉・村上真都ラウール・向井康二

6/2 御園座公演開始

6/27 大千穐楽

4/24 公演一部中止の発表を受けて

 

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log:202105 短歌

0508

夏は死に近い②

昼間からカーテンを引くふたりには蛍光灯の白さえこわい

ふれないで触れさせないで願ってもただれていったやわらかい皮膚

知らんぷりしてるおまえは手を引いて赤に変わった信号を行く

 


0514

息を吸い込んで朝まで降っていた雨の気配を体に満たす

夏前の昼と夜との境目にだけ現れる青になりたい

羊水の中ってこんなだったっけ 頭の先まで浸かるぬるま湯

 


0524

はじまりはiTunesで流れてた聴いたことないけどすきな音

イヤフォンをした耳を手で包み込むこの音ぜんぶ抱きしめたいな

ほんとうの音を知る日はまだ遠く何度も見てたちいさな画面

じゃあ明日、そこで会おうね 一音で肌が震える瞬間を待つ

 

log:202105 アイドル短歌

20210505

Snow Man 深澤辰哉

お誕生日おめでとうございます!

 

踏み込んだあとには決して戻らない光路のために十字を切った

苦しみも痛みも知って尚も立つやさしいひとの遠い眼差し

たまらずに笑いくずれる一瞬をいつまでだってこの腕に抱く

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20210512

滝沢歌舞伎ZERO 2021 0509配信

 

空っぽと言いたくはなく呼びかける先にあなたの気配があった

塩からい水を湛えた淵に立ちぼやけた世界をまっすぐに見る

途絶えずに描き切ること この肌の熱が生まれて果てるそれまで

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20210516

滝沢歌舞伎ZERO 2021 東京・新橋演舞場公演千穐楽

 

永遠に残るものなどないんだと知ってなお手を伸ばすぼくらは

心臓はとっくに捧げられている板上で生きつなぎ続けろ

何度でも思い出すだろう音もなくこぼれた涙で満ちていたこと

 


20210517

Snow Man 岩本照

お誕生日おめでとうございます!

 

椅子が空くまであくびして漫然と待つなんて真似誰がするかよ

黄金比かるく描いて宙に浮くどこまでだって行ける両脚

日が翳るおそれは払えこの手にはけして消えない灯火がある

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0522

Snow Man ラウール

Myojo 7月号 10,000字インタビュー

 

ロザリオをたぐる速さでひとりずつ忘れたくない名前を呼んだ

なくなっていくことどうか恐れずにさいごのさいごまで見届けて

今ここで生き抜くきみのまなざしは百年先の光になろう