0508
夏は死に近い②
昼間からカーテンを引くふたりには蛍光灯の白さえこわい
ふれないで触れさせないで願ってもただれていったやわらかい皮膚
知らんぷりしてるおまえは手を引いて赤に変わった信号を行く
0514
息を吸い込んで朝まで降っていた雨の気配を体に満たす
夏前の昼と夜との境目にだけ現れる青になりたい
羊水の中ってこんなだったっけ 頭の先まで浸かるぬるま湯
0524
はじまりはiTunesで流れてた聴いたことないけどすきな音
イヤフォンをした耳を手で包み込むこの音ぜんぶ抱きしめたいな
ほんとうの音を知る日はまだ遠く何度も見てたちいさな画面
じゃあ明日、そこで会おうね 一音で肌が震える瞬間を待つ