0902
何回も書き違えてる8月に忘れものしてきちゃったみたい
あとひとつ何かあったら泣けたのにクリームパンのかすかな凹み
0904
チョコレート、クッキー、キャラメル、ありったけ泣いちゃう前に詰め込んでおく
0907
JR池袋駅地下通路ふつうでいるってどうやればいい
0908
「呪文が分からない」で詠んだ短歌
僕ひとりきれいさっぱり消えちゃえるはずの呪文 検索 ヒット0件
きみと見るテレビでうまく笑えない夜にぽつんと立ち尽くしてる
0910
なまぬるい炭酸水を飲み干して希釈しておくやってらんなさ
0911
液晶がやけに明るい好きだったものを両手で抱いてたかった
0912
題:包む/包まれる
できるだけ綺麗に剥がす包み紙もらったときのきもちのまんま
小籠包餃子春巻天津飯泣き言ぜんぶ包んでおいて
マジックの不思議な布に包まって1、2の3でぱっと消えたい
0914
題:真夏のダイナソー(入道雲)
ぼくたちは別個の個体だけど今おんなじように雲を撮ってる
その歌を口ずさむだけ恐竜はどこにもいると教えてもらう
ゆっくりと遠ざかってく夏の空それじゃあまたね、また来年ね
0914
題:寝る前のお酒
何杯もビールをあけて笑い合う無敵マリオになったつもりで
ふわふわと浮き上がってく全身へ重しがわりに注ぐチェイサー
半分は残してしまう缶チューハイ持て余してるひとりも夜も
0916
タイラズマ(正反対な君と僕 第61話)
あのときの不味かったって何年か後になっても笑っていたい
軽々とプレイリストに追加するこれから好きになっていく曲
コンビニへ行くのに何の言い訳もいらない夜の空気を吸って
0917
がんばれない日のおしまいにぱたぱたと飛び込んでくる銀のエンゼル
0918
たまらなく好きだ あなたの、あなたの、声が、言葉が、流れる文字が
0919
Discordアイと短歌鯖にあてて
おとなりさんみたく林檎を花びらをアイスを星を渡してもらう
0920
とびきりのクッキー缶をあけていい今日はぜんぶを許してもいい
0926
題:目覚め
アラームにしてて嫌いになった曲そんなつもりじゃなかったなんて
眠り姫だって起きたくない朝があって王子を蹴飛ばしている
また今日がはじまる何度目覚めてもわたしはわたしわたしのままだ
「来世では同級生に生まれたい」で詠んだ短歌
来世では同級生に生まれたいおそろいだって思っていたい
0927
つけっぱのテレビは消してちゃんとした大人になんてなれないくせに
完璧な人には完璧なほくろ うらやましいってどう書いたっけ
0928
題:酔わない人と二日酔いの人
少しだけ酔いたくなったはしゃいでるきみの隣はあったかくって
ソフドリとビールを二人取っ替える何にも言わず慣れた手つきで
おそろいのコップに注ぐいっぱいの白湯がいちばん楽しみだった
きみのことばっかりだねってきみじゃないひとに言われてやっとわかった
0929
泣きたくて泣けないときにバリバリと頬張っているポテトチップス