食べちゃうか、食べちゃおうって思いきりナイフを入れる夜のキッチン
まだ青いかんじがするねクリームに埋もれるメロンの冷たいかたさ
気付かないうちに終えてた春のこと考えながら食器を洗う
古ぼけた毛布を撫でたときみたくひとつも傷付かなくていいよ
取り落とす想像だけで充分で結局元に戻される皿
熟れすぎたにおい全身ずたずたにしてやりたくてバナナを刻む
麦わらを飛ばないように押さえてる指の隙間を抜けていく風
さみしいと言えればもっとよかったね喉の奥には重たいしこり
生きていることとか大抵分からなくなるからすぐに眠ってしまう