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短歌と感想ほかまとめ

log:201903 短歌

行かないでここにいてって祈ってる果てまで飛べるひとよ、おねがい

諦めもやむなし消えてしまっても誰も泣いてはくれないぼくは

ここにいて何になるかはわからないまま日に九百の細いため息

目覚めればうっすらとした絶望がおはようと手を振ってわらった

シーリングライトがぼくの目を焼いて期限の切れた目薬をさす

ざあざあと流れゆく雨聴いており部屋の窓には真白い光

春雨のスキップこぼれ出すように昔の歌を口ずさむきみ

スーパーを出ればあかるく陽の差して水溜りなど飛び越えてゆけ