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短歌と感想ほかまとめ

log:202109 短歌

0905

消えちゃったほうがいいほど不幸だと信じたいのに鳴ってるおなか

自分から漏れる嗚咽の音程がわざとらしくて許せなくなる

ハイターにつけるわたしも水筒もちょっとはましと信じたかった

 


0910

ぬるまったビールがジョッキを満たしてる飲みきるまでは一緒にいてよ

生ぬるい九月の夜は夕立か涙の前の気配に近い

あとちょっと話してたくて走ったら間に合いそうなバスを見送る

 


0912 お題:ライブハウス

ステージの上に舞ってる塵は白この一瞬をおぼえていたい

注がれた音が呼吸やまばたきのたびに溢れて残さずひろう

天井へ伸ばした腕が原色に染まるはしから生えかわる皮膚

照明が切られるまでのざわめきを音響として愛おしく聴く

その指をあなたの声を伏せられた瞳をいつか忘れたとして

 


0930 #短歌で景色標本

わがままとなじっておいて絡ませた指はほどかずいる長い夜