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短歌と感想ほかまとめ

log:202107 短歌

0701 お題:透明と不透明

ほの白い求肥のなかの自意識をそうとは知らず潰してしまう

万年の雪を見ている水底で繰り返されるぬるい幸福

いつまでもうずくまってろ 渦中にはいない自分を呪ったらいい

 


0717

頭から丸呑みにしたかなしみは小骨を多くからだに含む

救済とたやすく口に乗せながら刺さった棘を針で抉った

 


0723

鉄塔は積乱雲を遮って最大規模の五線譜を引く

夕立がやってくるとき鼻先をかすめていった終わりのにおい

 


0728

心臓はすぐに止まった 凄惨な通知は開きもせずそこにある

運転を見合わせていますふさわしい場所があるならとうに行ってる

炎天の路上で立ち尽くしている願い続けるのっていつまで