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短歌と感想ほかまとめ

log:202012 アイドル短歌

20201208

江戸に生きるひとたち

滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie

右から 官兵衛/以蔵/半兵衛/新吉/お丸/進之助/金之助/銀之助/あべぞう のイメージ

 

どうとでもなれどうとでも傷ついて壊れたのなら愛せるはずだ

畜生のにおいがこびりついている両手のひらを月へ伸ばした

生きているために悲鳴はほとばしるもっと聞かせてくれよ人間

どこまでも身勝手だった来世まで変わらず人を狂わせている

救われた人がいたって言ったって信じやせずに笑うんだろう

生き死にも分からぬものに乱されてやっと呼吸ができる滑稽

いちばんを選んで生きていくだけのことがぼくには難しくって

答えなどどこにもないと知っていて頁を繰る手は止まらなかった

きみたちの気持ちはひどく難しい声にならないことばを聞こう

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20201223

透きとおる冬の気配が少しでもきみにやさしくありますように

今はただ光をためる息をのむほどの軌跡を焼きつけるため

届くまで叫ばせてくれ口にするきみたちの名は祈りのかたち

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20201228

Snow Man「Grandeur」

 

天幕は裂かれた、とうに足は地を離れぼくらは新しくなる

傷跡も涙もいつかの未来には星座となろう刻むこの手で

青白く燃える光を映し込む瞳はいつも世々に高潔

運命と言われてはいそうですかとは頷くものか振り切って跳べ

恐れるな、標となって鳴り響く声がきみにも聴こえるだろう

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(以下は蛇足)

1首目 神殿の幕が裂ける描写が聖書にある/「新しくなる」は典礼聖歌の一部(あなたの息吹を受けて私は新しくなる)
3首目 「(いまも)いつも世々に」は栄唱の一部
5首目 「恐れるな」は聖書にたびたび登場するフレーズ

MVの神殿?が印象的だったのと 祈り、神話、というイメージが頭にあったので ちょっとそういう要素を多めに入れ込んだつくり